部下が失敗したとき
指をどちらに向けているか
「任せる」という言葉の裏側には、必ずセットにしなければならない覚悟があります。それが「責任」の所在です。
「任せる」とは、メンバーを信じ、工夫する権限や判断する権限を与えた上で、「最後の責任は俺がとる」と腹を括ること、覚悟することです。
部下が失敗したとき、あなたはどちらに指を向けているでしょうか。「なぜ言った通りにやらなかったのか」と部下に指を向けるのは、リーダー失格です。たとえ部下が判断を誤ったとしても、「彼を信じて任せた自分の判断」に指を向ける。これこそが、「任せる勇気」の本質です。
誰だって、他人の責任を取ることは怖いものです。自分の評価が下がるかもしれない、キャリアに傷がつくかもしれない。その恐怖から逃れるために、私たちはついつい「マイクロマネジメント」という名の防衛策に走ってしまいます。
しかし、リーダーが保身に走れば、部下もまた保身に走ります。あなたが部下を信じなければ、部下もあなたを信じることはありません。
試行錯誤してたどり着いた
正しい任せ方の「3原則」
私が試行錯誤の末にたどり着いた、メンバーが自律的に動き出すための実践的なステップを紹介します。
(1)「レッドライン」を明確にする
「好きにやっていいよ」という丸投げは、投資ではなく無責任な放任です。
大切なのは、納期・予算・品質といった「超えてはいけない一線(レッドライン)」を明確にすることです。「この範囲内なら、君の判断で失敗しても構わない」という境界線を示すことで、メンバーは初めて安心して自分の知恵を絞り、工夫を凝らすことができるようになります。
(2)任せるときは必ず「疑問形」
「任せた」と一方的に言い切るのではなく、必ず「この案件、○○さんに任せたいと思っているけれど、受けてくれるかな?」と疑問形で投げかけてください。
相手が自分の意思で「やります」と口にした瞬間、その仕事は「押し付けられたタスク」から「自ら引き受けた使命」へと変貌します。
(3)弱さを開示し、助けを求める
完璧なリーダーである必要はありません。むしろ、リーダーが自分の限界を認め、「ここは私の力では及ばない。君の専門性が必要だ」と心から頼ったとき、チームには本当の結束が生まれます。メンバーは「自分が支えなければ」という当事者意識を持ち、期待を超えるパフォーマンスを発揮し始めます。







