「任せる」ことは時間がかかる
しかし、未来を確実に変える
五十嵐さんの著書『任せる勇気』(三笠書房)
「任せる」ことは、短期的な効率で見ればマイナスに見えるかもしれません。自分でやれば10分で終わることに、部下を指導しながら1時間かけるのは、一見すると「無駄」です。
しかし、その50分の差こそが、1年後、3年後に「自ら考え、動く人材」を輩出するための投資なのです。
私がNECで後半2回の社長賞を受賞したとき、私はもはや最強のプレーヤーではありませんでした。私はただ、優秀なメンバーたちが最大限に力を発揮できる「場」を作り、彼らの可能性を信じ抜き、不測の事態が起きたときに全責任を負う「防波堤」に徹しただけです。その結果、チームの成果は私一人の力を遥かに超えるものとなりました。
「任せること」は、単なるマネジメントの技術ではありません。それは、自分の評価を他人に預ける「覚悟」であり、メンバーの成長を信じぬく「勇気」です。
今、あなたの目の前にいる部下は、あなたの鏡です。彼らが指示待ち人間に見えるなら、それはあなたが指示を出しすぎているからです。彼らに活気がないなら、それはあなたが失敗の責任を彼らに押し付けているからです。
怖いけれど、任せることへの苦手意識を打ち砕きましょう。
あなたが勇気を持って一歩引いたとき、チームの可能性は一気に広がります。孤独な戦いはもう終わりにしましょう。あなたがメンバーを信じ、権限を譲ったその瞬間から、組織は「持続可能な発展」への第一歩を踏み出すのです。
その第一歩は、明日、メンバーに向かって「この判断は、君に任せるよ。責任は私がとるから」と伝える、そのわずか数秒の勇気から始まります。







