「インフレを加速」「確実な世界的不況」海外メディアでも叫ばれる懸念

《ホルムズ海峡が封鎖されれば、世界的に取引される石油の約5分の1が一夜にして供給停止に陥る。価格は急騰するだけでなく、恐怖感だけで急激に跳ね上がる。その衝撃はエネルギー市場をはるかに超えて波及し、金融情勢を引き締め、インフレを加速させ、脆弱な経済を数週間のうちに景気後退に追い込むだろう》(3月1日、アルジャジーラ紙)

《「ホルムズ海峡の長期閉鎖は、確実な世界的な不況だ」と、コンサルティンググループRapidan Energyの創設者で、ジョージ・W・ブッシュ元大統領のエネルギー顧問だったボブ・マクナリー氏は述べた》(3月2日、Fortune)

 いったい誰が利益を得る勝者となるのか。争いを仕掛けた国々も、報復に出たイランも、決して勝者にはなれない。海外メディアの報道を遡って分析しても、暴力の連鎖に終わりは見えない。

 勝者となるのは、高い原油価格を利用して莫大な利益を上げる一部の投機家や、エネルギー市場の混乱を逆手にとって世界的な影響力を強めようとするロシアなどの巨大な資源国だけである。エネルギーを海外に頼りきっている日本は、何もできずに立ち尽くす絶望的な敗者になる危険性が高い。

稲盛和夫は2度のオイルショックで英断を下した

   実は、日本は過去にも同じような厳しい壁にぶつかったことがある。

 1973年と1979年に起きたオイルショックである。原油の値段が約4倍に跳ね上がり、資源エネルギー庁や内閣府の記録によると、1974年の消費者物価の上昇率は20.9%に達した。

 実質的な経済成長率はマイナス1.2%となり、戦後初のマイナス成長となった。生活費が急増する一方で会社の業績は悪化し、景気後退と物価上昇が同時に襲いかかる最悪の現象が起きたのである。

 絶望的な状況のなかで、厳しい決断、しかし現在からみれば輝かしい英断を下した人物がいる。

 京セラを創業し、経営の神様と呼ばれた稲盛和夫である。