でもそれをやってしまうと、最低限の結果さえ残していませんから、仕事に戻ったときにスタートでつまずいてしまいます。

「こんなに溜まっているのか」と思えばウンザリします。「いったい、どこから手をつければいいんだ」とため息が出るのです。

 同じように気分転換する場合でも、「その前にせめてこれだけ」と決めて結果を残していれば気分はずいぶん違ってきます。

 仕事に戻ったときでも、「さあ、まずこの続きから終えてしまおう」と考えますから、スタートが切りやすくなるのです。

 感情コンディションを良好に保ちたかったら、少しでもいいから、つねに結果を残していくこと。

 その繰り返しが、大きく崩れないコツになります。

不満やイライラ感などの
マイナス感情は放っておく

 仕事の効率を悪化させるものに、不満やイライラ感、期待が裏切られたときのショックといったいわゆる悪感情があります。

 しかも職場は自分の仕事だけしていればいいというものではなく、人間関係にも気を配ったり、メンバーとの連携や協調も求められますから、悪感情につかまってしまうとその部分がうまくいかなくなります。仕事も人間関係も不安定になってしまうのです。

 その状態から抜け出す方法も、同じです。

 守備範囲を狭めて、できることを着実に実行する。小さな結果を1日の事実として残す。

 考えるのはそれだけでいいです。

 それで不満やイライラ感が消えるかどうか、怒りや不安といった悪い感情が収まるのかどうか、そういうことは考えなくていいです。

 マイナス感情はともかく放っておいて、現実的な積み重ねだけをめざしましょう。

 調子のいいときに比べれば見劣りする結果しか残せないかもしれませんが、それも気にしなくていいです。

 こういったことをわたしがいえば、「悪い感情から抜け出せなければ、いつまで経ってもまともな結果が出せない」と考えるかもしれませんが、では逆に質問しましょう。

 ほかにどんな方法で、悪い感情から抜け出すことができるでしょうか?

『なぜあの人はいつも上機嫌なのか』書影なぜあの人はいつも上機嫌なのか』(和田秀樹、扶桑社)

 気分転換もおしゃべりもお酒もおいしいものを食べることも、すべて仕事が終わってからです。職場を抜け出さないかぎり実行できません。仕事や職場の人間関係から生まれた不満や不安、怒りやイライラ感は、仕事のなかで解決するのがいちばんです。

 悪い感情に対して、「まずこの気分を変えなくちゃ」とか、「とにかく怒りを静めなくちゃ」と考えるのは当然のことです。

 でも「楽しいことを考えよう」とか「怒ってもしょうがないぞ」といい聞かせても、なかなかうまくいきません。ほんとうに気分がムシャクシャしているときや、怒りでカッカしているときにはそういう気持ちの余裕すらもてません。はっきりいって、感情には逆らえないのです。

 だったら、しばらく放っておく。ほとぼりが冷めるまで放っておく。ムシャクシャするならそのまま、カッカするならそのままにしておく。これならだれでもできるでしょう。