これまで1000万枚を超える領収書を見てきて断言できるのは、「富が続く人」と「富が離れていく人」は、財産シートが明確に違うということです。

 その大きな違いはたったひとつ。「富が続く人」は無形資産が非常に多く、「富が離れていく人」は無形資産が極端に少ないのです。

 私たちはつい「どれだけ稼いだか」「いくら持っているか」で経済的な成功を測りがちです。肩書や職業、銀行口座の残高、資産の総額といった「見える指標」で人を判断してしまうことは否めません。

 でもそれは、私たちが陥ってしまう資本主義的な「わかりやすい成功像」にすぎないのです。

 表面的なわかりやすい豊かさは、今その瞬間、物質的に豊かである証明にはなっても、富を続けさせる力があることにはなりません。

 目には見えない資産――スキルや知識、信用、健康、時間など――そういったものにこそ、長く続く豊かさの鍵が隠されているのです。

どうせお金を使うなら
自分の糧となるものに

 本稿では、このモノとカネ以外の無形資産を「見えない自分資産」と呼んでいます。そして、「見えない自分資産」を生み出すのが、「ストック支出」というお金の使い方です。

 お金を使うという点では、どんな支出も同じように見えますが、支出は「フロー支出」と「ストック支出」に分けることができます。

 財布からお金が出ていくという点では、どんなお金も同じように見えます。けれど、その使い方が「ただ流れていくだけのもの」になるのか、それとも「あとからじわじわと自分を支えてくれるもの」になるのか。この違いは、思っている以上に大きいのです。

「フロー支出」とは、その場限りで流れていくもの。今日の出費が明日には価値を失って自分の中に何も残らない、そんな支出です。

 一方で「ストック支出」とは、じわじわと自分に蓄積されていくもの。その価値はむしろ時間が経ってから効いてくる、自分の糧になる支出のことを指します。

 大事なのは、それが高かったか安かったかではなく、「何のために使ったか」。価格よりも、「どんな自分を育てるお金だったのか」という問いを軸にすれば、お金は確かに「見えない自分資産」に変わっていきます。

 この考え方が、これからの時代にはずっと大切になってくるはずです。