マネジメントのケーススタディで
思考の論理性と実現性を見る

 それは、マネジメントのケーススタディです。

 実際に起こり得る可能性がある、しかも正解がない局面を提示し、「いまこの場で、責任者としてのあなたが判断してください」と、対応策を問うものです。例えば、次のような例です。

「重要なプロジェクトにチームをあげて対応している最中に、エース級の人材から突然退職の申し出がありました。独立して事業を起こすとのこと。あなたがチームの責任者だとしたら、どのように対応しますか?」

 絶対的な正解はありません。候補者の思考の論理性と実現性を見るのです。

「何としても思い直してもらいます」と返ってきたとします。しかし、相手は独立の決心をした人です。引き留められる可能性はありません。実現性のないアイデアは机上の空論です。

「他のメンバーに事情を話して、われわれで頑張っていこうと元気づけます」、はどうでしょうか。単に気合いを入れただけで戦力ダウンを放置しています。影響を最小限に抑えてプロジェクトを成功させるという点から見て、何の解決にもなりません。

 採用側としては、少なくとも次のような答えを期待すべきです。

「思い直してもらえる可能性はありませんが、退職日の交渉はしてみます。それを前提として、メンバーの役割を見直しながら引き継ぎを行います。

 関係部署と調整して、スケジュール的に柔軟にできるものとそうでないものを切り分け、タスクに優先順位をつけます。私自身も一部のタスクを引き受けます。

 上司を通して人事に後任の手当てを働きかけてもらいますが、それまでの間、派遣社員を採用して事務作業を一手に引き受けてもらい、メンバーはプロジェクトに集中してもらいます」

 一例ですが、この程度の論理的、現実的、具体的な答えが即座に返ってくれば、管理職としてのマネジメント能力が期待できます。当社でも活躍してもらえる可能性は高い(再現性あり)と判断してよいでしょう。

能力とマネジメントのスタイルを知り
ミスマッチを防ぐ

 これは逃げ場のないマネジメントの疑似体験です。厳しい状況であればあるほど、回答には本人の実力だけでなく、マネジメントのスタイルや価値観が現れます。