櫻田 毅
ビジネス、経済、経営、マネジメント、スキルアップ、キャリア、マネーなど、ビジネスパーソンに役立つ情報をイラストや視覚でわかりやすくお伝えする「グラフィックニュース」。今回は「管理職の素質がある人とない人の違い」について、『新 管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)の著者である櫻田毅さんが解説します。

部下自身に考えてもらおうと、あえて自分の考えを言わずに、「あなたはどう思う?」と問いかける――このような上司の話をよく聞きます。しかし、いくらそう問いかけても、部下がなかなか自分で考えて行動するようにはなってくれないと頭を抱える上司は少なくありません。この問題は、人材育成に関する上司側の「ある勘違い」が引き起こしていると言えます。

年功序列で誰もが管理職になれた時代から、実績と能力で厳しく選抜される時代に変わりつつあります。そこで問われるのが管理職としての資質ですが、その有無は「普段どのような会話をしているか」で分かります。同じように実績を出してきたのに、管理職としての資質がある人とない人。そこには、明確な違いがあるのです。

従来、過去の実績の延長線上にあった役員ポストの位置付けが変わりつつあります。技術革新とグローバル競争が日々目まぐるしいスピードで進む時代においては、今の事業や組織の延長線上に会社の未来を描くことができないからです。では、どのような人が今役員として求められているのか。米国系企業のマネジング・ディレクターの選考基準と比較しながら、変わりつつある日本企業の役員選考基準を解説します。

管理職の資質があるかは「会議でのちょっとした発言」ですぐ分かります。口数が多くても管理職としての資質がない人、寡黙ではあっても管理職としての資質を感じる人。そこには、明確な違いがあるのです。

年功序列で誰もが管理職になれた時代から、実績と能力で厳しく選抜される時代に変わりつつあります。そこで問われるのが管理職としての資質ですが、その有無は「普段どのような会話をしているか」で分かります。同じように実績を出してきたのに、管理職としての資質がある人とない人。そこには、明確な違いがあるのです。

部下に伝えたいことを熱心に話しても、反応が薄い――。こう悩んでいる上司ほど、「重要な視点」が欠けています。実は、ある“3文字の言葉”を使うだけで、部下の反応はガラリと変わるのです。

マイナスの業績評価を部下に伝えるのは、上司にとって頭の痛い問題です。しかし、「面談で十分な時間を取って、丁寧な説明とフォローをするべきだ」、こう考えた方は上司失格です!実は、優れた上司は評価面談を一瞬で終了させます。なぜでしょうか。

管理職の資質があるかは「会議でのちょっとした発言」ですぐ分かります。口数が多くても管理職としての資質がない人、寡黙ではあっても管理職としての資質を感じる人。そこには、明確な違いがあるのです。

いくら熱心に指導しても、部下が本音を言わずに表面的な会話で済ませてくる――。こんな時、「信頼されていないな」と感じる上司は多いでしょう。実は、このような上司は「ある重要な視点」が欠けている可能性があります。いったい、どういうことなのでしょうか?

人がよく育つ職場と、思うように育たない職場があります。後者の上司は、ある残念な勘違いをしている場合が多いのです。実は、「経験させれば部下は成長する」という考え自体が致命的な勘違いなのです。

部下への指示が正確に伝わっていないため、仕事が混乱してしまったーーこんな苦い経験から「部下への指示は具体的かつ正確にしなければ」と意識する上司は多いもの。しかし、実はこの意識こそが部下を思考停止させ、チームの生産性を低下させるリスクになります。その理由と、私たちが実践すべき「指示出しの正解」を解説します。

人事異動によって、これまで経験したことのない分野の組織の管理職になってしまった場合、やっていけるのかという不安と、メンバーに早く認めてもらいたいという気持ちが交錯することでしょう。しかし、このような状況で、管理職がメンバーに対して絶対にやってはいけないことがあります。特にマネジメントに自信がある人ほどやってしまいがちな思わぬ落とし穴です。そのNG行為とは何で、その代わりにすべきことは何なのでしょうか。

「心理的安全性」という概念が広まりつつあります。部下の話をよく聞き、気持ちや考えを尊重することで、部下が安心して働けるようにとのことです。ただ、一方で、部下に気を使いすぎるあまり、明確な指示でビシバシと仕事を仕切っていた、かつての「ボス力」を失ってしまいそうだという上司の声も聞こえてきます。しかし、そう感じるのは、心理的安全性に対してある誤解があるからです。それを正すことで、上司として健全な「ボス力」を発揮し続けることはできるのです。

「一つ上の立場に立ったつもりで仕事を考えてほしい」と部下に訴える上司は少なくありません。広い視野で仕事の全体像を把握することで、より的確な行動や判断ができるからです。その発想自体は悪くないのですが、そう言われた部下の多くはピンときません。なぜなのでしょうか、そして上司はどうすればよいのでしょうか。部下に「一つ上の立場で」を、具体的にイメージしてもらうための方法について説明します。

言い訳ばかりする部下をどう扱えばよいか、という悩みを管理職の方からよく聞きます。経営者からは、傾聴の姿勢で部下の話をよく聞くことを求められているのだが、聞けば聞くほど自己正当化が止まらないとのことです。しかし、そのような状態になるのは、実は、上司の話の聞き方に問題があります。言い訳体質の部下に対して、上司はどのように話を聞けばよいのでしょうか。

「今こそ、一人ひとりの意識改革が必要だ」。組織が環境変化の波にさらされるたびに連呼されるのが「意識改革」という言葉です。しかし、頭の中で固定されている人の意識は、そう簡単に変わるものではありません。「いくら言ってもわかってくれない」と嘆く経営者や管理職の大きな勘違いは、「言えばわかる」と思い込んでいることです。意識改革のために彼らがすべきことは別にあります。

日本の職場では、部下と上司が「頑張ります」「頑張ってくれ」という会話を交わす場面がよく見られます。やる気のエールを交換するという意味では、悪くはありません。しかし、この「頑張る」という言葉には、実は部下の思考を止めてしまう危険性があります。いったい、どういうことなのでしょうか。さらに、正しい「頑張る」の使い方とはどのようなものなのでしょうか。

外資系企業の採用面接では、必ず「マネジメント・スタイル」について質問されます。それがチームの雰囲気や部下の意識に影響するだけでなく、仕事の成果そのものを大きく左右するからです。そこで口ごもってしまうようでは面接終了です。この「マネジメント・スタイル」とはいったいどのようなものなのか、具体的な事例とともに紹介します。

本人は熱心に部下を指導しているつもりでも、部下から「マウンティングされている」と思われてしまう上司がいます。どれだけ能力が高くても、部下に「いやなヤツ」だと思われたら管理職としてのマネジメントに苦労します。しかし多くの場合、上司本人はそのことに気付いていません。この笑って済ませることができない問題にどう対処すべきか。「マウンティング上司度」を測る10の自己診断リストを交えて、部下への適切な接し方を考えてみましょう。
