『中谷彰宏の人生道場』テーマ第3弾は「大人のマナー」です。マナーには2通りあって、おじぎの角度やタクシーに乗る順番など、新人研修で習うマナーは「守りのマナー」と言えます。しかし、実践で役立つのは臨機応変に対応しなければならない「攻めのマナー」の方です。今回から、一般的には紹介されることの少ない「攻めのマナー」を伝授していきたいと思います。
出発時間は、集合時間ではない。
「朝6時ホテル出発」はコマーシャルの撮影としては遅いほうです。
「明日は6時にホテル出発」と上司から言われると、新人はたいてい6時に来ます。それで怒られるのです。
6時に来た人はロケバスに乗るのが一番最後になります。6時に来たのでは、ロケバスには、先輩・上司・クライアント、みんなが乗っています。
新人の頭の中では、「6時出発」というと、6時にロビーへ来ればいいと思い込んでいるのです。それは出発時間であって、集合時間ではありません。
大学の授業のやり方も悪いです。午後1時の授業が午後1時10分から始まるという習慣に慣れてしまっているのです。
まずロケバスの止まっている場所に一番に来て、皆さんに「おはようございます」と挨拶することです。これがマナーです。
あるカメラマンの方は、先輩のカメラマンから「集合時間の30分前が自分の集合時間」と教わったと言います。万が一、トラブルがあった時でも集合時間に遅れないというのが、大人のマナーです。
「自分の集合時間をルール化」すればいいのです。最低限出発時間を言われますが、集合時間は言われません。6時ぴったりにロケバスがスタートできる状態にしておくのがマナーです。
みんな来ているか点呼をとるのも新人の仕事です。その点呼をとる人がいないのです。
新人の中には「6時集合」と言うと、6時に自分の部屋を出る人がいます。 「6時に部屋を出ました。エレベーターが来るのが遅かった」と言いわけをします。それをすべて逆算して6時にはロケバスに乗っている状態にしておくのです。
集合時間と出発時間とは違うことを覚えておくことが大切なのです。
【大人のマナーその3】出発時間に、集合しない。