人工ダイヤモンドの作り方
人工ダイヤモンドの製造方法は主に2つある。
一つは、天然ダイヤモンドと同じ環境で生成する方法。地底の高温・高圧を人工的に再現する「HPHT(高温高圧法)」である。工業用の「小粒」ダイヤモンドを大量に作るのに適しており、中国が得意とするのもこの方法だ。
一方、日本が得意とするのは、天然ダイヤモンドとは全く異なるプロセスで生成する方法「CVD(化学気相蒸着法)」である。「種結晶」と呼ばれる小さなダイヤモンドに、気体化した炭素を付着させ、成長させていく方法だ。
大粒、かつ高純度のダイヤモンド製造に適しており、日本に一日の長がある。2023年6月、インドのモディ首相がバイデン大統領夫人にプレゼントした「7.5カラット」の人工ダイヤモンドは、日本のアイリックスの技術を用いて作られている。
2023年6月、インドのモディ首相はアメリカのバイデン大統領(当時)夫人に7.5カラットの人工ダイヤモンドをプレゼントした。アイリックスプレスリリースより引用
CVDを得意とするのは米国も同様だ。今回新設される人工ダイヤモンド工場を運営するのは、デビアスグループ傘下の「エレメントシックス社」である。CVDの大規模システムを初めて開発し、オレゴン州グレシャムに約5600平方メートル(6万平方フィート)の最先端工場を有している。
つまり、日米がともに得意とするのは、研磨材などに使う「小粒」ダイヤモンドの大量生産ではなく、高純度の「大粒」ダイヤモンド製造である。大粒ダイヤモンドは、「究極の半導体」と呼ばれるダイヤモンド半導体ウエハーの製造につながる。







