スキルや知識ではない…「次の経営幹部」が必ず身に付けるべき“意外なもの”とは「自社らしさ」を再発見するために鍵となる「2つの場面」とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

強い経営チームに不可欠
そもそも「自社らしさ」ってなに?

 連載第2回第3回で、「経営者としての覚悟」「強い経営チーム」のどちらを醸成するにしても「自社らしさ」が不可欠だとお伝えしてきました。そうお話すると、こんな声が返ってくることがあります。

「うちは、ミッション・ビジョン・バリューを定めて、全社員で共有しているから大丈夫」

 確かに重要な取り組みですが、「自社らしさ」とは本当にそれだけを指すのでしょうか。

・理念、ミッション、ビジョン?

・その会社独特の仕組み、制度?

・カルチャー、社風?

 どれも「それっぽい」答えに聞こえます。しかし、次世代経営幹部を本気で育てようとしたとき、これらが機能しない場面に多くの企業が直面しています。今回、あるエピソードを通じて本当の意味での「自社らしさ」を紐解いてみたいと思います。

「それでいいんだ!
そういう小さいことこそ改善なんだ!」

 これは、ある自動車部品メーカーの工場で次世代リーダー育成プログラムを提供していた際、ある方が昔を振り返って話してくれたエピソードです。

「うちの工場は昔、機械作業が中心で、設備と人がずらっと並んで日々の作業をこなしていました。多いときは1000人規模。トラブルも多く、その度にライン全体が止まっていました。トラブルが起きた部署は復旧に追われますが、関係ない部署はその間、手が空く。そこで、私が入社する前から『直接関係ない部署はその機会に自分の持ち場・設備を再点検する』というルールが決められていました。