女子では渋谷系が御三家に迫る

 女子の上位校でとりわけ注目を集めているのが渋谷教育学園渋谷(渋渋)と渋谷教育学園幕張(渋幕)です。

 渋谷系の偏差値が御三家を超えた、あるいは超えつつあるというのは、保護者世代には驚きに映るかもしれませんが、これが今の現実です。女子においては、桜蔭が先頭を走り、そこに渋谷系が追いついて、今まさに競り合っているような状況といえるでしょう。

 渋渋が注目を集める理由のひとつに、まだ学校教育の詳細がベールに包まれていることがあります。今年は東大推薦合格者を4名出して過去最多を記録しましたが、その内実についての情報は外からは見えにくい。在校生は開成の半数の200人規模で、卒業生数もまだ限られています。

 世間で語られる渋渋像と実際の渋渋との間にはギャップがある。わかりきっていないことが逆に人気を生む——そんなミステリアスな魅力も、難関校の受験生に対して強い引力を持っているのだと思います。

 一方、御三家の一角、女子学院はサンデーショックの影響を受けながらも、志願者数を着実に増やしています。偏差値や流行ではなく、「女子学院ファン」として確固たる支持層が存在しています。

 こうした伝統を愛する一定のファン層に支えられた人気は、短期的な偏差値変動とは別の次元にあります。豊島岡女子学園も面倒見のよさというすでに確立した評価ゆえに、安定した人気を維持しています。

「中堅」と「難関」の境界が溶け始めた

 今年特に難しくなったのが、難関校(御三家、渋渋、豊島などに代表される上位校)と中堅校の間に位置する「中難関校」とも呼ぶべき層です。

 この層の上端はより難関校に近づき、下端は従来の中堅校に近づいている。つまり、中難関校の幅が広がり、従来の偏差値のいわば「相場感」とでもいうべきものが崩れつつあります。

 男子では本郷、攻玉社、芝、共学では東京都市大学等々力などが中難関校の中核として安定した人気を誇っています。女子では山脇学園がこのゾーンで際立った人気を集めました。

 山脇は偏差値上の立ち位置としては中堅校であるにもかかわらず、上位層も下位層も受験するという異例の状況が生じています。大手受験塾SAPIXの模試でも山脇の志願者の偏差値が上昇しており、倍率以上に実質的な難易度が高まっています。

 現状の解釈は2方向が考えられます。