「この偏差値なら余裕で受かる」と思っていた中堅校が、上位層の流入によって想定以上に難しくなっていることが一つ。しかし、従来であれば「届かない」と思っていた中難関校が、問題との相性次第で狙えるケースも出てきているということでもあるのです。

 偏差値だけで志望校を決めるのではなく、問題との相性で判断する姿勢が、今後はさらに重要になるでしょう。

中堅校は「学校のメッセージ」が人気を左右

 中堅校の層では、学校がいかに自校の魅力を伝えられるかが、人気を大きく左右しました。私立学校である以上、宣伝力や見せ方は欠かせない要素です。

 女子中堅校では、山脇学園(前述)に加え、昭和女子大学附属昭和、普連土学園、晃華、大妻中野などが注目を集めました。

 これらの学校に共通するのは、都内にあるために広い敷地を武器にしているわけでも、派手なリブランディングをしているわけでもなく、それぞれが持っている教育の特色を丁寧に発信していることです。

 男子中堅校では、都心にあって敷地の広さを誇れるわけではない芝も、面倒見のよさなどから人気でした。大きなグラウンドを武器にできる環境ではなくても、各校が自分たちの良さを見つけ、それを伝えようとしている姿勢そのものが保護者に届いています。

 一方で、八王子学園八王子のように郊外にある学校も、豊かな自然環境という独自の魅力で一定の支持を集めています。

 こうした傾向に見られるように、欠点探しではなく長所探しをしている受験生・保護者が増えているのは、よい傾向です。

 ただし、中堅校で注意が必要なのは、あまりよい言い方ではないですが、「滑り止め」として上位層が押さえに使おうとしても、簡単には合格できないケースが増えていることです。

 前回お伝えしたように、併願校パターンの多様化もあいまって、山脇や東京農業大学第一、東京都市大等々力などは、もはや確実な併願校とは言えなくなっています。こうした学校を受験プランに組み込む際は、より慎重な検討が必要です。