カスハラ問題、辞める前に知っておきたいこと

カタリーナ「こんにちは、今日はどんなご相談かしら?」

カタリーナ

さやか「私、ECサイトのカスタマーサポート部門で、電話を受ける仕事をしているんです。……お客様から暴言を受けて、すごく怖くて。上司に相談したんですけど、“クレームを受けるのも仕事のうち”って…」

 さやかは、職場でのこれまでの状況について説明した。

さやか「このままだと、私のメンタルがもう限界です。夜も眠れなくなってしまって……。実は先日、初めて心療内科を受診しました」

カタリーナ「つらかったわね。最近はカスハラ、つまりカスタマーハラスメントが社会問題化しているから。ただ、上司がそれを“仕事のうち”というのはおかしいわ。仕事じゃないから」

さやか「上司は、怒っているわけじゃないんです。“気持ちは分かるよ”って言ってくれるし……ないがしろにされているとは思っていません。でも、いくら伝えても何も変わらなくて」

カタリーナ「なるほどね。それ、上司が無関心なんじゃなくて、板挟みで動けないパターンかもしれないわ」

さやか「板挟み?」

カタリーナ「現場のリーダーってね、部下を守りたい気持ちがあっても、会社の方針や数字のプレッシャーで動けないことが多いの。クレーム件数を減らせ、対応時間を短縮しろ、顧客満足を上げろ…でも人員は増えない。こういう状況だと、どうしても板挟みになるのよ」

さやか「確かに、ミーティングのたびに“対応時間を短く”って言われています」

カタリーナ「だからといって、あなたが我慢し続ける必要はないわ」

2026年10月から、カスハラ対策が義務化

カタリーナ「今年の10月から事情が変わるの。カスハラ防止措置が企業の義務として明確に位置づけられるのよ」

さやか「やっぱり、あの暴言はカスハラですよね?」

カタリーナ「法律では、ざっくり言うと“3つの要素”が揃ったときにカスハラと判断される。1つ目は、顧客や取引先など仕事に関係する人の言動であること。2つ目は、その言動が社会通念上、許容される範囲を超えていること。そして3つ目は、その結果として労働者の就業環境が害されていること。あなたのケースは、この3要素に該当すると考えられる状況ね」

さやか「そうですか…」

カタリーナ「この3つの要素に当てはまる場合、企業は放置できないの。法律上、カスハラとして適切な対応を取ることが求められるから」

さやか「本当に会社が動いてくれるといいのですが……」