菊池雄星選手が多忙の中でも読書を続ける理由菊池雄星選手 Photo:SANKEI

メジャーリーガーの菊池雄星選手は年間約200冊の本を読む読書家として知られる。一見、野球の世界とは無関係に思えるが、多忙な毎日の中でなぜ彼は読書を続けているのか。その理由を本人が語った。※本稿は、メジャーリーガーの菊池雄星『こうやって、僕は戦い続けてきた。』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

年間200冊の読書が
思考力を鍛える

 僕は年間約200冊の本を読みます。そして、本を読む大切さを伝えるために、地元岩手で読書感想文コンクールに協力させていただくようになってから6年がたちました。

 なぜそんなに本を読むようになったのか。その原体験は、5歳上の兄の存在にあります。服やゲームは、そのすべてが兄のお下がりでした。僕自身も野球に熱中していたため、ファッションやゲームといったものにはさほど興味がなく、お下がりの制服や学校の運動着を着ることに、何の抵抗もありませんでした。しかし、野球に熱中すればするほど、「もっと野球の勉強がしたい。もっと野球の本が読みたい」と思うようになりました。

 僕たちは、思春期にスマートフォンがなかった、おそらく最後の世代です。現代の子どもたちは、常にスマホを触りたいという欲との勝負を迫られます。もし今、僕が中高生だったら、その強烈な欲に勝てる自信は正直ありません。自主練習をせずに、スマホをいじっていた可能性もあります。そういった意味では、僕は本当にタイミングに恵まれたと言えるのかもしれません。スマホがない分、YouTubeもSNSもない。知識を得る手段は、必然的に読書に限られていました。