こども家庭庁は青少年のネット利用についての検討を行っています。1月19日、「青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ」の第1回会合を開催しました。これは、2008年に制定され2018年に改正された「青少年インターネット環境整備法」の見直しを目的とするもので、会合ではオーストラリアの規制についても意見が交わされました。規制をすべきか否かも含め、議論が進んでいます。

日本の利用実態に合わせた対策が必要

 年齢によるSNS規制については、2つの問題が考えられます。

 1つは「子どもたちが抜け道を探すこと」です。事業者が用意する年齢確認の仕組みをすり抜ける子どもたちが存在します。規制されたサービス以外で交流する人もいるでしょう。実際に、オーストラリアでもすり抜けている子どもたちがいると聞きます。隠れてSNSを利用している状況で深刻なトラブルが発生した場合、大人には相談しない可能性が高くなります。

 もう1つは、「心のよりどころをなくしてしまう子どもが生まれること」です。不登校で友達が作れない子どもでも、SNSには同じ立場の仲間がいて、心が救われることもあるでしょう。また、親や学校、身近な友人には相談できない家庭の問題を抱えている子どももいます。こうした子どもたちを受け入れる場として、SNSは大きな役割を果たしています。SNSを取り上げてしまえばネットトラブルは解決、という単純な話ではないのです。

 これまで日本は、ネットトラブルを「家庭の問題」として捉えてきました。しかし、荒れ果てたSNSを上手に乗り切ることは、どんなに社会経験が豊富な保護者でも難しい状況です。国と事業者が一体となって取り組む時期が来ています。

 サービス事業者は今以上に依存しにくい設計や安全を守るための機能拡充に取り組むべきでしょう。アテンションエコノミーの見直しを行い、コンテンツの質を高めることも重要です。また、年齢確認についてはサービス事業者だけでなく、AppleやGoogleなどのアプリストアを運営する事業者がマイナンバーカード連携や顔認証を用いて行う方法もあります。いずれにしても、日本の利用実態に即した対策や仕組みを早急に整えてほしいと切に願っています。