感情は抜きにして
事実を淡々と伝える

 すると、こんな答えが返ってきました。

「うれしい!でも、もともとメールがとっても苦手だったの。入社当初、先輩秘書のAさんにメール術を叩き込まれたのよ。秘書たるもの、『メールを制すものは、仕事を制す』ってね」

 そしてこうも教えてくれました。

「私たちは会社の重役といわれる人たちの時間を預かるのが仕事。重役とやり取りがある方は、そのお相手も重役。お預かりしている時間、そして相手にいただく貴重な時間を1秒でも無駄にしないよう、メールを極める必要があるのよ」

 今でも感銘を受けたのをよく覚えています。これぞプロフェッショナルだなと思い、私も受付の仕事を極めていくために必要なマインドだと感じました。

 では、どうしたら秀逸なメールを作ることができるのでしょうか。役員秘書の方に、さらに詳しく聞いてみると、「感情を抜くこと」とポイントを教えてくださいました。

 感情は抜きにして、事実をあえて淡々と伝える。依頼したいことをフラットに伝えるというのです。

「感情をなくすと、冷たいとか怖いって思われたりしないですかね?」と少し不安になりましたが、「メールの依頼内容が完了したときに、お礼や感謝と言った感情を入れれば、そんなこと思われないし、むしろ『ドライな人かと思っていたけど、そうじゃなかったんだ』って思ってもらえたりするよ」と教えてくださいました。感情を入れた方が伝わるのではないかと思っていた私は、目から鱗でした。

・要点を掴んでいると思ってもらえる安心感や伝えたい事実をわかりやすくするために、長文ではなく、しっかり要約する

・誠実さ伝えるために余計な話はしない

・特別感が伝わるように一文でも自分らしさを出す

 アドバイスを受けて、私はこれらのことを今でも大切にしています。

メールでやりがちな
「敬語のミス」とは?

 見ていて気持ちのいいメールには、もう一つ、共通点があります。それは無駄のない敬語が使われていることです。

 慇懃無礼という言葉をご存じでしょうか。表面上は非常に丁寧で礼儀正しい態度をとりながら、内心では相手を見下していたり、尊大に振る舞ったりする、あるいは丁寧すぎてかえって失礼になる様子を指す言葉です。