ビジネスでのメールのやり取りには、「丁寧すぎてかえって失礼になる状況」が発生しがちです。
異常に丁寧な表現は、無駄な感情ともいえます。また、敬語がうまく使えない人と仕事をするのは不安を覚えるはずです。
例えば、メールで先方と日程調整をする場合によく見かけるのが、「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、○○様のご都合をお伺いさせていただきたく存じます」といった表現。
この場合、「お忙しいところ恐縮ですが、○○様のご都合を伺えますでしょうか」で十分だと思います。
仕事上で相手が求めているのは過剰な敬意やへりくだりではなく、まっすぐな言葉と確実な仕事です。本当に相手を尊敬するならば、読む時間を奪わないように言葉を研ぎ澄ましましょう。
仕事ができる人が
メールの件名に「至急」を入れないワケ
メールにはタイトル欄があります。このタイトルにも一流はセンスが光ります。一流はタイトルだけで差をつけます。
【ご相談】4/10(金)の登壇依頼について(返信目安:3日以内)
【共有のみ】プロジェクト進捗のご報告(返信不要)
相手はメールを開く前に、「あ、これは3日以内に考えればいいんだな」「これは読むだけでいいんだな」と安心できます。自分が、「いつまで」に「この件について」「何をすべきか」と言うのが一目でわかります。
特に、経営者や役職者には、1日にかなりの数のメールが送られてきます。今すぐ対応すべきか、2、3日で対応すれば良いのか、後ほど目を通しておくだけで良いのかといった対応の優先度をタイトルだけで判断させてくれる。これは一流だからこそできる配慮です。
一方で、私が「嫌だな」と思うメールのタイトルの一つに【至急】と入っているものがあります。その至急というのは、受け手にとってなのか、それとも送り手にとってなのかが重要だと思います。
一流は、タイトルに「至急」といった言葉を使いません。なぜなら、至急かどうかは相手(受け手)が決めることと思っているからです。
どうしても急ぎの場合は、「私が困るから急いで」ではなく、例えば「○○様との契約を円滑に進めるために、本日の18時までにご確認いただけますと幸いです」と、相手にとっての目的やメリット添えるようにします。
また「本日の件ついて」といった、あえて抽象的でメールの内容が想像できないようなタイトルも信頼を失います。このようなタイトルも避けるべきだと考えます。
メールは単なる連絡手段ではありません。あなたの思考の深さや相手への敬意の総量を示す「分身」そのものともいえます。その分身は転送されて、どんどん一人歩きをしてしまう可能性もあるのです。
メールの件名一つ、敬語の一つに、どれだけ相手のことを想像できているか。その想像力の差が、仕事の成果となって現れるのだと思います。効率化が叫ばれ、AI時代といわれる今だからこそ、無駄を削ぎ落とした文章の中に、そっと「自分らしさ」や「感謝」といった感情を添える。
適度な温度感のあるテキストコミュニケーションこそが、これからも信頼されるビジネスパーソンの条件なのではないでしょうか。







