大井町トラックスの魅力を高める
開放的なアウトモール型商業空間
東京の高層化時代到来を予見した建物の跡地に建設された複合施設はどのようなものか。まず目につくのは高さ約110mの2棟の超高層ビル、「ビジネスタワー」と「ホテル・レジデンスタワー」だ。前者は賃貸オフィス、後者はホテルと賃貸レジデンスが大半を占める。
断面図と3階フロア平面図(大井町トラックス公式ウェブサイトから抜粋) 拡大画像表示
高輪ゲートウェイシティのオフィス面積が約23万平方メートルなのに対し、大井町トラックスは約12万平方メートルと、ほぼ半分の規模である。これだけのオフィスを一気に供給するのは無謀にも見えるが、それ以上に東京のオフィス不足は深刻だ。
KDDIが高輪ゲートウェイに新オフィスを構えたように、複数に分散したオフィスを集約したいニーズから、大規模オフィスビルの需要は根強いそうだ。品川以南は川崎、横浜までオフィス供給のないエリアだったため、既にほぼ満床と言える状況だという。高輪ゲートウェイシティ「THE LINKPILLAR 2」についても9割以上が内定している。
だが、大井町トラックスの魅力は超高層ビルではなく、その足元にあった。最大の特徴は、同社グループでは初めて導入した開放的なアウトモール型商業空間だ。大井町駅から続く大井町トラックスの3階フロアは、新設の改札口(トラックス口)から東急大井町線下神明駅方面に、区役所通りと並行に続く。これを「TRACKS STREET」=通りとみなし、沿道に店舗を配置した格好だ。
賑わうTRACKS STREET(筆者撮影)
TRACKS STREETは1階から5階まで通りに面した80店舗で構成され、階段、エスカレーター、エレベーターで上下移動が可能だ。イチからまちを作り上げた高輪ゲートウェイシティとは異なり、大井町には地元商店街などの魅力的なコンテンツがあった。そこで、地域との一体感を重視し、まちの延長線上で歩いて楽しめる施設とすることで、地元との共存共栄を図った。
上下フロアをつなぐエスカレーター(筆者撮影)







