具体的に何がいいかといえば、アマルフィは段差や細かい路面の凹凸にしっかり対応しているということ。ローマでは細かいピッチングが起きるような場面もスーッと滑るようにこなし、キャビンを快適な空間に押し上げる。このしっとりさはスーパーカーであると同時に高級車に近い。また、このときのステアリングフィールが気持ちいい点も伝えておきたい。スッと切ったときの手のひらに伝わる感覚はクルマの挙動を感じさせながらも、おさまりがいい。無駄な振動はカットされ、最低限必要なだけの情報がドライバーの手に伝わる。まさに秀逸なFRスポーツといったイメージである。
このあたりは日常使いを前提にしたサスペンションのセッティングとEPS(電動パワーステアリング)を基にしたグリップ推定システムが関与していると思われる。後者は296GTBで導入されたシステムで、それを今回バージョンアップした。全領域で路面のグリップレベルを見極める制御システムが効率的にトラクションを管理してくれる。よってキャビンはフラットにキープされ、高級感が得られるのだ。
なんて話をするとアマルフィにレーシーさがないように思われるかもしれないがそうではない。アマルフィは3.9LのV8ツインターボ(640cv)を搭載。ローマ+20cvのパワーソースは“コルサ”モードで豹変する。V8サウンドと共にドライバーをゾクゾクさせる領域に突入するのは明白だ。
証言/西川淳
新たな価値新たな価値を提唱する“跳ね馬”が誕生した
ローマからアマルフィへのフルモデルチェンジ。その内容をみればクルマ好きほど“ナカミは同じ”といいたくなるものだった。プラットフォームやエンジンはなるほど“キャリーオーバー”だ。なんならフロントウィンドウも同じ。フォルムだって似ているから、昔だったら“ビッグマイチェンだ”と片付けられそう。
その実、エンジンはほぼ新設計で、足回りから細部までダイナミクスで手の入ってないところは皆無。おまけに開発陣から「乗った瞬間に違いがわかるよ」と前もって聞かされていた。だから、大いに期待して(といいつつ、実は半信半疑で)乗り込んだ。







