しかし、この先、もし、調査回答の通り71.5歳まで働いて、健康寿命が厚労省データ通り残り1年、後は健康に支障ありという状態になるとするとどうでしょう?

 まず、筆者の頭に浮かんでくるのは、「そんなに長く働くべきなんだろうか?」「やっぱり何よりも健康第一。健康寿命を延ばすにはどうする?」ということです。同じことを思う60代も多いかもしれません。

「お金」「時間」「やりがい」
大事なのは3つのバランス

 生きていくためにはお金が必要であり、生活費が不足であれば働くことも必要です。どの程度のお金が必要なのかは、どのように暮らすのか、何歳まで生きる想定なのかによって大きく変わってきます。そして、同じお金を持っていても、将来に対してお金の不安を感じる人もいれば楽観的な人もいます。「万が一のリスク」に過敏になると、いくらあっても足りません。

「お金のためだけに働くわけじゃないよ」「仕事こそが人生だ!」という人もいるでしょう。それもひとつの生き方です。

 もちろん、実際に自分の健康寿命や寿命がどうなるかは誰にもわかりませんが、誰にとっても時間は有限です。人生100年時代だとしても、60代は間違いなく折り返し地点を過ぎて後半に入っています。時間の持つ価値の重さをしみじみと感じるようになります。

 60代の働き方は、自分を取り巻くさまざまなことの優先順位をじっくり考えたうえで、働かない選択肢も含めて、判断することが大切です。長寿リスクも無視できませんが、残り時間はどんどん少なくなっていきます。人生を充実させるために、仕事と「お金」「時間」「やりがい」のバランスをしっかりと見定めたいものです。

 筆者は、決して、できるだけ早いリタイアを勧めようとしているのではありません。「時間」は貴重です。「お金」もそれなりに必要です。そして、お金だけではない「やりがい」、働く意義も人生の糧になります。人生の後半戦にあたって、自分なりに最も納得がいく働き方を見つけることが大切だと考えているだけです。