たとえば最低でも3年は着ると決めます。くどいようですが、購入前に決めてしまうのが最大のポイントです。次に3年着るとは、具体的に何回着ることになるのかを概算します。

 上質ということがわかる素材感ですから、ビジネスパーソンが集う講演会やメディアの取材などの場で活躍しそうです。さらにベーシックなデザインですから、いろんなボトムスとのコーディネートができそうです。オフの日におしゃれなレストランに足を運ぶ際にも使えるかもしれません。思ったより活躍の場面はありそうです。

 年間通じて、月に4回(=週に1回)程度は出番があると仮定します。すると3年間で最低でも144回(=4回×12カ月×3年)、このジャケットを着ることになります。

 1回あたりという単位に変換すると、次の通りです。

 10万(円)÷144(回)≒694(円/回)

 つまりこのジャケットを「10万円の買い物」と定義するのではなく、「1回あたりおよそ694円で所有するもの」と定義します。こう定義することで、このジャケットを着用したときに「ああ、今日は694円を着用するんだな」と認識することができます。この感覚があると、ジャケットを着るというその1回の行為がとても尊く、大切なことに思えてきます。

 この感覚を備えることができれば無駄なものを購入したり、購入したけれどあまり使わなかったり、購入したものを大切にしないということは起こりません。

たとえ80万円の腕時計でも
1回あたりの金額は666円

 私は昔から腕時計が好きで、現在は厳選した3本を所有しています。腕時計は男性に許される唯一のアクセサリーだと思っており、着ける人の価値観や生き様が表現されるアイテムだと思っています。

 所有しているものの中には、いわゆる高級ブランドのものもあります。仮にその個体の金額が購入時は80万円だったとしましょう。私はそれを最低でも10年は着用すると決めています。腕時計は毎日着用しますので、所有している3本を均等にして考えるなら、1年間(およそ360日)に120回は着用することになります。ということはつまり、10年間で1200回(=120回×10年)は着用します。

 1回あたりという単位に変換すると、次の通りです。

 80万(円)÷1200(回)≒666(円/回)