先ほどの10万円のジャケットは694(円/回)でした。つまり私は、この腕時計と先ほどの10万円のジャケットをほぼ同じ価値の所有物と認識しています。10万円のジャケットより80万円の腕時計のほうが高い買い物だとは思っていません。
ですからある日このジャケットとこの腕時計をいずれも着用したなら、それだけで私は「およそ1360円を着用している」と考えます。服も時計もタダではありませんし、これはビジネス的に言えばコストです。「生活=経営」と考え、かつ賢く合理的な生活を目指すなら、このコストはぜひとも回収したいところです。
物を大切にできる人は
回収発想を持っている
ではこの事例において「回収する」とはどういうことでしょう。
『人生をシンプルにする数学的思考「速さ」よりも、やることを「少なく」。』(深沢真太郎、三笠書房)
私の答えは、その日ファッションとしておよそ1360円をかけるに見合う時間を過ごすことです。
せっかく素敵なジャケットを着たなら、大切な家族やパートナーに自分の魅力をアピールする。上質な時計を着けたなら、時間を忘れさせてくれるような空間で読書をする。1360円もかけたのに“成果”が何もなかった1日は過ごさない。そういうことではないでしょうか。
もちろん、この話は決してファッションの話に限りません。何かを購入しそれを保有するということは、それだけでいまこの瞬間もコストが発生しています。
あなたも一度、「所有の意味」を数値化してみてはいかがでしょうか。少しばかり練習をしてみるなら、次の問いについて考えてみることをお勧めします。
Q2 安価だったけれど、実はほとんど使っていないものは何でしょうか?
Q3 それぞれを単位変換の考え方で数値化するといくらでしょうか?
Q4 その金額を見てあなたはどう思うでしょう?(どう評価するか?)
いまあなたが所有している何かを思い浮かべてください。それは今日のあなたにとっていくらのコストになっているでしょう。厳密な計算をする必要はありません。大雑把に、感覚的なもので結構です。数値化してみることで、それを所有することに経済的な意味が生まれます。
そしてそれを回収する発想を持つことで、日々の生活に対する姿勢がきっと変わります。
少なくとも、これまでよりずっと「物を大切にする人」になれるはずです。







