親の背中を見て幼少期から触れてきた興味・関心は、付け焼刃の対策では得られない深みを持ち、アイデンティティの背景をかたちづくるのです。
親のキャリアを「自分自身の文脈」に再解釈する
私がコーチングを務めるコミュニケーショントレーニングの現場では、総合型選抜に挑む高校生たちに、まず「自己理解シート」の記入を徹底します。なぜなら、受験に重要な面接でのコミュニケーションは、その根底にある「自己理解の深さ」があって初めて成立するものだからです。
この自己理解を深めるプロセスにおいて、避けて通れないのが「親の背中」との対峙です。
親が築き上げたキャリア、守り続けてきた価値観、あるいは長年のコミュニティへの貢献――。これらを子どもがいかに「自分自身の文脈」として再解釈できるかが重要になります。
実はほとんどの受験生が「親のこと」を書けないのです。日本文化特有の謙虚さや、「親の七光り」「自慢話」に聞こえてしまうのではないかという懸念が、筆を止めてしまうのです。
また親自身からも「私のこんな経歴、子どもの入試に生かせますか?」などの質問があり、子どものポートフォリオを作成するための「親のレガシー(無形資産・生き様)」を探し出すコーチングをする機会も増えてきました。
日本特有の「大学受験は子ども1人の戦い」というフェーズは、過去のものです。
海外受験においても、日本の受験においても親子で対話を重ね、葛藤を共有し、共につむいできた「家族の物語」こそが、今の入試制度において大学の重い門扉を開く唯一無二の鍵となります。
親から受け継いだバトンを、子どもが自らの手でどう握り直し、次世代のリーダーとしてのビジョンへと昇華させていくか。この「レガシーの再定義」こそが、新時代の入試における合格への最短距離といえるでしょう。
「受験のためのレガシー(無形資産)」は、大学入試のみならず、幼稚園・小学校・中学校受験における家庭方針の策定にも絶大な威力を発揮します。まずは次の3つのステップで、親自身が自分の棚卸しを始めてみましょう。







