ところが、1995年12月に創業者の妻が亡くなると、息子たちの間で不動産相続をめぐる対立が起こり、訴訟沙汰に発展した。その後も販売地域を巡る争いや、「チロリアン」の商標使用を巡るトラブルなどで、会社間の係争が広く知られることになった。
一方で、2016年5月には東京の(株)千鳥屋総本家が民事再生法を申請し、経営破綻した。同社は地の利を生かして、東京ディズニーリゾート向けの取引などで業績を伸ばしたが、2011年に発生した東日本大震災以降は売り上げが減少し、赤字経営から脱却できなかった。
民事再生後は、スポンサーの下で営業を続けたが、思うような業績をあげることができず、菓子製造から撤退して業容を縮小。最終的には、大阪の千鳥屋宗家が当時のスポンサーから残った事業を引き取り、吸収合併した。
大阪・千鳥屋宗家に支援を要請
そして今回、当社が民事再生法の適用を申請した。兄弟それぞれが作った4社のうち、2社目の経営破綻となった。
当社の破綻は、売り上げの伸び悩みによる慢性的な債務超過に加え、コロナ禍での売り上げ減少や急速に進んだ原材料高騰などが重なり、経営が行き詰まったことが主な原因だ。
もっとも、コロナ禍の2021年頃には、大阪の千鳥屋宗家に援助を要請していた。「民事再生申立書」によると、当社からの援助の申し出に対し、千鳥屋宗家は弁護士などの専門家を紹介したものの、経営状態は一向に改善しなかったという。
その後、資金が切迫した当社は千鳥屋宗家に事業譲渡の話を持ち掛けた。これに対して千鳥屋宗家は、創業地である飯塚本店の破綻を避けるため、資金援助とともに事業譲渡を受け入れ、当社の全株式を取得し経営者も交代した。だが、その後も経営は改善せず、借り入れ返済や社会保険料の支払いにも窮し、ついに運転資金が回らなくなった。
民事再生法の申請後も、当社は店舗営業を継続している。今後は再生計画の下で一定の債権カットを実施したうえで、引き続き千鳥屋宗家がスポンサーとして経営改善を図る予定としている。







