“廃棄物メガネ”ではなく“資源メガネ”をかけよ

 では、どのように循環経済へトランスフォームするのか。かつての「大量モノ消費主導経済」、現在の「3R(リデュース、リユース、リサイクル)付き消費主導経済」を経て、いかに「極小生産、適小消費、無廃棄」を理想とする「資源循環経済」へと移行していけばよいのだろうか。

 妹尾氏は「“廃棄物メガネ”ではなく“資源メガネ”をかけてビジネスを議論しませんか」と提案する。環境問題と見れば事業の制約条件になるが、資源問題ととらえれば「目的関数=稼ぐための原動力」になるというわけだ。

 「ただし、環境汚染対策が国際協調第一主義を取るのに対し、資源調達対策は自国優位第一主義になる。この狭間で私たちは、資源大国・資源メジャーに牛耳られることなく、環境汚染には加担せず、みずから資源を循環的に確保する必要があります。

 そこでクローズアップされるのが、『資源生産性と使い続け』です。たとえば、PCやスマートフォンの買い換えサイクルを3年から6年に延ばせば、必要な資源は半分で済みます。そうした発想で循環経済型のビジネスモデルを展開し、成果を上げている企業が実際に出始めているのです」

 「使い続け」に加えて、より大きな視点での資源調達戦略も不可欠になる。国内資源である「未利用資源」と「使用済み資源」(都市鉱山)をいかに最大活用していくのか。この議論の前提として、妹尾氏は経済活動を「メタルエコノミー」(鉱物資源による経済活動)、「ケミカルエコノミー」(化石資源による経済活動)、「バイオエコノミー」(生物資源による経済活動)の3つに分類。メタルエコノミーとケミカルエコノミーには環境負荷や枯渇、調達リスクといったマイナス要因があることを指摘する。

 「となると、我々が利活用すべきはバイオ資源です。鉱物資源と化石資源の再生には数十億年から数千万年という時間を要するのに対して、生物資源は圧倒的に再資源化するスピードが速い。その点でも、生物資源を利活用するのが最も効果的・効率的なのです。そこで、既存のメタルとケミカルを徹底的に再資源化して徹底的に使い倒すと共に、今後に向けては、バイオ資源を徹底的に利活用するようにしたいものなのです