「技術星座」デザインのための7つのソーシング
とはいえ、線形経済から循環経済へ一足飛びに「乗り換え」(トランジット)をすることは不可能だ。求められるのは「変態」(メタモルフォーゼ)であり、企業であれば資源の組み換えが必要になる。その移行期、つまり現行のビジネスモデルと次世代のモデルが交錯する「バトンゾーン」をどう設計するかが、企業にとって最重要課題となる。
「日本の製造業がバトンゾーンでなすべきことは、2つの技術開発です。一つは、手持ちの要素技術などを活用して当面の問題に対処する『ブリコラージュ的対応』(トリあえず、トリ急ぎ、何とかする)。もう一つは、ブリコラージュ的対応での学習と呼応しながら行う本格的な『エンジニアリング的対応』です。後者は、イノベーションターゲットを設定し、『技術星座』をデザインして、ソーシング(技術調達)をするという一連の対応を指します。こうした2つの技術開発を両輪で進めることが、バトンゾーンでの肝なのです」

技術星座とは、さまざまな「星=要素技術」をつなぎ合わせて「星座=事業や価値の体系」を描き出すという、技術開発のメタファーである。星座を成す星々が実際には異なる距離にあるように、各技術の入手のしやすさや完成度は一様ではない。いつまでも自前主義にこだわっていては、開発の遅延や機会損失につながってしまう。そこで妹尾氏は「7つのソーシング」を提示する。
「社内で調達する『インソーシング』のほかに、他社と手を組む『ジョイントソーシング』、外部に委ねる『アウトソーシング①』、外部の知恵を借りる『アウトソーシング②』、技術を他社と交換し合う『クロスソーシング』、技術を共同利用する『コモンソーシング』、そして公開された技術を活用する『オープンソーシング』があります。これらを適切に組み合わせて『星座』をデザインすることが、バトンゾーンを勝ち抜く技術開発のカギを握るのです」







