理性が邪魔をして
本心を見失ってしまう
でも、こうしたものは、なかなか拾えません。なぜなら、アーティストの活動は無意識下で行われることも多くて、意識に上がってくるものは、たいてい
・唐突なイメージ
・断片的な言葉
・なんの脈絡もない思いつき
だったりするからです。脈絡がないものは意識に残りづらいので、すぐに忘れられてしまうんですね。
たとえば、こんなことはありませんか?何の予定もない時間を過ごしているとき。ふと、
「なんか急に歌いたい」
「紅茶がおいしかったあのお店。また行きたい」
「そのうち海の見える場所で暮らしたい」
そんな思いが、まず「心」に浮かんでくる。ところが次の瞬間、
「いや、こんなふうにぼーっとしていていいのかな」
「もっと有意義なことをしなきゃ」
そんな理性が働いて、なぜかスマホを手に取り、情報収集を開始。
あるいは、日常のこまごまとしたタスクを再開。そうやって理性的に考えて、忙しく動いているうちに、さっき感じた「好きだな」「こうしたい」という心の感覚は打ち消されてしまう──こうした状況が続くと、僕たちは自分がどう生きたいかを見失い、周囲から「こうすればお得に生きられるよ!」と聞かされた方向に、ひたすら流されるようになるわけです。
これこそが、「一生懸命がんばっているのに、人生の満足度(タイパ)が上がらない」というパラドクスの正体なのです。
DMNが優位になりすぎると
脳は疲弊してしまう
心の源ともいえるデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)は、適切に活性化している状態であれば、僕たちにさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
神経学者のメリー・ヘレン・イモディーノ=ヤング博士らの研究によれば、DMNは知能、共感力、感情的判断、メンタルヘルスに強く結びついていて、適切な休憩が、研究や成長、生産性の向上に欠かせないこともわかってきたそうです(注3)。
(注3)論文タイトル:Rest Is Not Idleness: Implications of the Brain’s Default Mode for Human Development and Education
著者:Mary Helen Immordino-Yang, Joanna A. Christodoulou,et al.(2012)







