そうした状態を得るには、ある程度、ぼーっとする必要があるわけです。

 ただし、「ひたすら」ぼーっとするのはNG。なぜなら、DMNは「自分」について考えるのが得意な半面、「他者からどう見られているか」という視点も扱っているからです。

 そのため、あまりに長時間ぼーっとして思考に没頭しすぎると、次のような「反芻思考(注4)」に陥りやすくなります。

「あのとき、あの人にどう思われていたんだろう?」
「あんなことをしてしまって、嫌われたかもしれない」
「もっと違う振る舞いをすべきだったのでは……」

 こうした「ぐるぐる思考」が止まらなくなると、脳はリラックスするどころか、逆に疲弊してしまいます。

 こうならないためには、心と体が「少しゆるむ」程度の状態を目指すのがベスト。時間にして10~15分程度。この適度な余白の中でアーティストと向き合うことが、人生の質を上げる鍵となります。

 脳をゆるめる時間は、あなた自身への大切なギフトです。だからこそ、その時間が『心配事の時間』に変わってしまわないよう、ほどよい加減で切り上げることも、自分をいたわるコツのひとつ。

 まずは砂時計を眺めるような、おだやかな10分間から、その時間を味わってみてくださいね。

単純作業をしているときに
ひらめきが生まれやすい!?

「ぼーっと歩いていたら、ずっと気になっていた答えがふと浮かんだ」
「洗い物をしていたら、悩んでいたことの整理がなんとなくついた」

 こんな経験、あなたにもありますよね。

 机に向かって必死に考えていたときは何も出てこなかったのに、力を抜いて他のことをしていたら、思いがけず「答え」がやってきた。いわゆる「ひらめき」がやってくるわけですが、これを担っているのが、僕らの中にいるアーティストこと、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)だと言われています。

 DMNは、過去の記憶や感情をゆるやかにつなぎ直すネットワーク。ここが活性化することで、脳に蓄積された意外な情報同士が結びつき、あなたならではのユニークな発想が生まれます。

(注4)この時間が長くなると、ウツっぽくなっていきます。