いずれも「上」は赤字が出ないよう線路使用料を設定し、自治体が赤字を負担する形になっている。ちなみに輸送密度は青い森鉄道こそ1990人/日だが、信楽高原鉄道は774人/日、若桜鉄道は371人/日にすぎない。それでも町レベルで支えているのだから、やる気次第とも言える。
黄線区沿線主要自治体の一般会計歳出規模は、旭川市が約1800億円、釧路市が約1000億円、北見市が約800億円だが、例えば、旭川市2026年度予算における「地域公共交通対策費」は1億円、「JR線路維持対策費」は400万円にすぎない。
沿線自治体はこれまで、現在の財政規模では多額の支援は不可能として、北海道や国による支援、費用負担を要望してきた。道も同様の姿勢だ。これに対して国はローカル鉄道は沿線自治体や住民の努力によって維持すべきとして、費用負担は道・自治体と同程度までに限るとの見解だ。
4月17日付北海道新聞はJR北海道の発表に対する沿線自治体首長のコメントを報じているが、「億単位の負担を求められても応えられない。観光や物流トータルで道内全体のビジョンを作ってもらいたい(富良野市北猛俊市長)」「沿線自治体の費用負担は容易ではない。道内全体の鉄道網の問題で、国や道が考え方を示すことが重要。(苫小牧市金沢俊市長)」など反応は芳しくない。
また「国や道の関与・支援を前提に、地域に最も現実的で持続可能なあり方について議論すべき(釧路市鶴間秀典市長)」「上下分離は国や道が役割を明確に示さないと議論できず、沿線だけで解決すべきでない。道のイニシアチブが必要で、鉄道網のあり方や維持策を早急に示して(岩見沢市松野哲市長)」として国や道のイニシアチブを求める声が並んだ。
しかし、道の反応も同様だ。JR北海道の綿貫泰之社長は4月15日に鈴木直道北海道知事を訪問し、上記の考え方を説明したが、鈴木知事は「抜本的な改善策の取りまとめにおいて、上下分離ありきではなくさまざまな方向で議論してほしい」と回答した。道が後ろ向きでは話は進みそうにない。
問題は上下分離方式を採用するか否かではなく、JR北海道以外が鉄道の維持費用を負担するか否かにある。そこで期待されるのが、前回記事で取り上げたユニバーサルサービス料金だが、全国から徴収した資金から約76億~93億円をJR北海道1社に充てるのは妥当かという議論になるだろう。いくら負担するかはともかく、道と沿線自治体が鉄道存続のために身を切る姿勢を示さなければ国の支援は呼び込めない。







