とはいえ2016年の「持続可能な交通体系のあり方」から赤線区が片付くまでに10年である。2018年度の全線区営業赤字は約549億円で、そのうち赤線区が約25億円だったのに対し、黄線区は133億円。つまり、赤線区はほんの入り口にすぎない。赤線区でこれでは、黄線区は20年でも済まないだろう。
運賃改定でも改善しない
黄8線区の営業赤字
肝心の経営再建計画は、コロナ禍や札幌延伸の延期で思うように進んでいない。そうした中、同社が4月15日に発表したのが「黄8線区を維持する仕組みの構築に向けた当社の考えについて」である。
赤線区はほとんどが行き止まりの盲腸線だったが、釧網線(東釧路~網走間)、根室線(滝川~富良野間、釧路~根室間)、富良野線(富良野~旭川間)、石北線(新旭川~網走間)、宗谷線(名寄~稚内間)、室蘭線(苫小牧~岩見沢間)、日高線(苫小牧~鵡川間)の黄8線区は特急「宗谷」「オホーツク」、貨物列車などが走行する重要なネットワークが含まれる。
しかしながら、輸送密度500人/日を超えるのは富良野線、石北線のみ。2024年度の黄8線区の営業赤字は128億円で、2019年10月に運賃改定を行ったにもかかわらず、ほとんど改善していない。2025年4月にも再度の運賃値上げを実施したが、昨年度第3四半期累計(4~12月)の営業収支は前年同期比で約5億円悪化しており、インフレを背景とした費用増に追い付いていない形だ。
そこで今回、JR北海道は黄8線区の沿線自治体に以下4項目の協議を開始したいと申し入れた。
(1)線区のご利用状況に応じた輸送体系のさらなる見直し
(2)持続的な運行に必要となる担い手の確保(踏切の除雪、駅業務の自治体への移管等)
(3)鉄道資産の自治体への譲渡による固定資産税の負担軽減
(4)運行会社と鉄道資産を保有する法人等とに分ける『上下分離方式』の検討
議論の中心になるのが、(3)(4)で示された上下分離方式だ。2016年の時点で、鉄道を持続的に維持する仕組みとして「運行会社と鉄道施設等を保有する会社とに分ける上下分離方式」が提案されているように、目新しい話ではないが、実現のハードルは高い。







