サービス縮小が続く限り
支援の同意は期待できない
札幌と道内主要都市との交通において、JR北海道の立ち位置は微妙なところにある。国土交通省の全国幹線旅客純流動調査によれば、各都市とも最多は乗用車で、鉄道ルートが遠回りの富良野は92%に達している。東京~名古屋間に匹敵する300キロ以上の距離がある稚内でさえ69%なのだから驚きである。
背景には高速道路網の整備がある。上述の調査は2015年のものであり、当時の高規格幹線道路は約1000キロ、現在は約1200キロだ。札幌都市圏と釧路を結ぶ道東自動車道は2024年12月に釧路まで全通。また、4車線化工事も進んでいる。札幌~帯広・釧路間は鉄道の高速化が進んだ区間であり、20%前後のシェアを持っているが、今後は利用が伸び悩む可能性がある。
同様に高速化された札幌~函館間、札幌~旭川間も25%程度のシェアを持っており、利用促進は高速化がカギを握っていることが分かる。しかしながら、JR北海道は安全対策、保線作業の負担軽減を目的に、2013年に特急列車の最高速度を引き下げた経緯がある。
もちろんJR北海道も問題意識を持っており、2024年に発表した「JR北海道グループ中期経営計画2026」には、札幌~旭川間の特急をスピードアップして所要時間を最速1時間25分から60分に短縮する将来構想が登場した。北海道新幹線札幌開業後の長期構想であり、現時点で具体的な計画ではないが、守りの経営改善と攻めの事業戦略は表裏一体で進める必要がある。
2024年3月に国交相から発出された「事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」は、JR北海道と地域の関係者が引き続き一体となって徹底した利用促進やコスト削減などの取り組みを行い、持続的な鉄道網を確立すべく、2026年度末までに黄8線区の「事業の抜本的な改善方策」の実行計画をとりまとめるよう求めている。
まだ現状把握と模索の段階であり、攻めの施策と言えるほどのものは少ないが、まずは沿線自治体との連携を強化し、その先の姿を共有できる素地を作らなければならない。
合理化の名の下、サービス縮小が続く現状では、黄線区の沿線自治体も費用負担に応じにくい。上下分離はサービスの切り捨てではなく将来の利便性向上につながることであり、そのために支援が必要であると示さない限り、同意は得られない。それはユニバーサルサービス料金を財源として活用するにしても同様だ。
今後の協議は赤線区以上の険しい道のりとなる。だからこそ未来を見据えた、前向きな議論になることを祈りたい。








