この数値が示すのは、2023年度にクマによる人身事故が大きく増加し、2024年度に一旦落ち着いたかに見えたが、2025年度は再び200件を超える事態になったということである。なお、これらは事故件数であり、被害者数とは異なる。1件の事故で複数人が被害に遭うケースがあるためで、2025年度の被害者数は12月までの速報値で236人に達した。
被害者の大部分は
山菜採りや農作業中の高齢者
被害者の年代として、岩手県が発表している資料(2018年から2025年)によれば、70代・80代が圧倒的多数であり、高齢者(特に70代以上)に被害が集中していることが明確になっている。
70代が最多、80代が次に多く、50代・60代も一定数あるが、40代以下は少数で、20代・30代は散発的である。山菜採り、農作業、散歩中、自宅周辺作業など、高齢者の日常行動と被害が結びついているようだ。
同様に、秋田県や山形県が発表している資料(2025年)では、年代は明示していないが、農作業・散歩・帰宅途中など日常生活の行動中の被害が中心であることから、被害者は高齢者(中高年から高齢層)が主体と読み取ることができる。これは、過疎化と高齢化が進む中山間地域で、高齢者が日常的に野外活動を行っている実態を反映している。
ネットで拡散するクマの撃退動画を
安易に信じてはいけない
実際にクマと遭遇した人の中には、走って逃げのびた人もいる。伝説のカラテの達人のように素手で戦って勝ったとされている人もいるし、クマの口に手を入れたらクマが去っていったという人もいる。ナイフを使って勝つことができた人もいる。キノコ狩りに行った人がクマに遭遇し、持っていた棒で叩いたら、たまたま鼻に棒が当たったクマが驚いて退散したという事例もある。
過去にはそういった事例も確かにあるが、それは誰でもできるわけではないし、戦おうとして命を落とした人もいるはずだ。
戦ったわけではなく助かった事例として、大声を出したらクマが驚いて逃げていったというものがある。







