さあ、コールが終わって、みなさんの目の前にはラーメンが着丼しました。食べていきましょう。もやしがだいぶ多いんで、麺はほとんど見えません。麺を下から引っ張ってもやしの上にのせて食べていきます。
3割ぐらいもやしと麺を食ったら、ブタにいきます。そっからはヤサイ、麺、ブタ、ヤサイ、麺、ブタみたいにローテーションしながらバランスよく食っていく。はじめて二郎を食べる人は、1杯の量が想像以上に多いんで、はやめにブタを食っといたほうがあとで楽になるかもしれません。
二郎では小ラーメンって言っても、ふつうのラーメンの3杯分ぐらいあります。大だと5杯分とか。だから常連の人は「小半分で」とか「小少なめで」みたいな頼み方をする人も多い。
麺を減らすことは恥ずかしいことでもなんでもないですからね。むしろ食いきれないときのほうがきつい。二郎はコストパフォーマンスが破格なぶん、残すことには厳しいのです。
私が二郎で失敗したのは一度だけ。はじめて二郎を食った神田神保町店です。ヤサイをマシマシで頼んじゃったんですよ。そしたらとんでもねえ量が出てきて。ほんと苦しみながら食いました。私はもともと食うのが遅いんで、一緒に席についた人はみんな食い終わって私ひとりだけまだ半分以上残ってるみたいな。
鈴木もぐらのおすすめは
ブタがうまい西台駅前店
二郎は店主さんによって味がちがいます。
私のおすすめの店は西台駅前店。もうね、うますぎるんですよ。二郎に行きたくないって人も、二郎じゃないと思って西台駅前店に行ってみてください。ふつうの豚骨ラーメンとしてめちゃくちゃうまいので。スープに豚のうまみがめっちゃ出てて出来がぜんぜん違います。
はじめて二郎を体験したいという人はミニから食うのがいいです。なにもトッピングしなければ、たぶんふつうのラーメンぐらいの量なんで。
西台駅前店はブタもめちゃくちゃうまい。脂多めの部位と脂少なめの部位、2種類のブタが1枚ずつ出てきます。両方うまいんですけど、脂多めの2枚だとくどくなっちゃうし、脂少なめの2枚だとものたりない。2枚でひとつ、ニコイチなんです。
でもミニラーメンの場合はブタが1枚になります。注文したときに、ブタの種類はどっちがいいですかってきいてくれるのでご心配なさらず。だからね、めっちゃ丁寧なんですよ。怖いとか、ブチギレるとか、そんなことほとんどない。ブチギレるのはならず者にだけ。
私が思う二郎の魅力は、細と太、シャキとグニュの共演です。
ラーメンがでてきた瞬間、まず目がうまいって言う。麺ともやし、細いものと太いものを一緒にすすると、その太さのちがいに唇がうまいって言う。
太麺のグニュグニュした食感ともやしのシャキシャキした食感のその噛み応えのちがいが格別にうまい。ここで歯がうまいって言う。で、麺、もやし、スープの味で舌がうまいって言う。
『没頭飯』(鈴木もぐら、ポプラ社)
目、唇、歯、舌の順番でうまさのバトンがつながっていって、食い終わったころは腹パンパンで、腹がうまいって言う。
忘れちゃいけないのは脳。脳はそれぞれにつながってて、つねにうまいって言ってます。うまさを知覚するバナナの房みたいになってるってことですね。脳はかたいヘタの部分、王冠です。そっから目のバナナ、唇のバナナ、歯のバナナ、舌のバナナ、腹のバナナがつながってる状態ですね。味覚のバナナです。
もちろんシャキとグニュを一緒に食いたくないって人もいるでしょう。最初にもやしのシャキで攻めて、そのあと麺のグニュを楽しむのもありですし、シャキ、グニュ、ブタでもいいですし。自分の好きな食べ方をどうぞ見つけてください。







