脳の血管に動脈瘤(りゅう)などがあれば、これによって脳出血やくも膜下出血などの脳血管疾患を発症することがあります。

 また、お酒を飲んでからサウナに入って眠気を催し、そのまま寝てしまって熱中症で亡くなる人もいます。

 サウナで亡くなったご遺体にみられる共通所見は、死後、発見されるまで高温環境にさらされているため、熱傷のように皮膚が剥がれた状態であること、臓器が熱の影響を受けて柔らかくなっていることです。ご遺体を運ぶときに、薄い表皮がズルッと剥けることもあります。

 サウナには高温の室内にいることで新陳代謝を促す効果があり、それをダイエット効果と勘違いしている人がいます。確かにサウナの後には体重が減りますが、これは発汗や皮膚から失われる水分の増加に伴う脱水によるものであり、脂肪が燃焼して痩せているわけではありません。

 しかし、実際に体重が減るのをみるとうれしくて、長いサウナ浴をしてしまい、身体に負担をかけている人もいるのではないでしょうか。

「もっと整いたい!」が招く
血圧低下→脳虚血のリスク

 サウナ好きの人たちが言う「整った」状態を追求し過ぎるのも考えものです。「整う」は、温冷交代浴によって生じる「トランス状態」を指していると思われます。「整った」状態が脳内で分泌される「快楽物質」といわれるホルモンに由来するものならいいのですが、脳血流の低下によって生じる「脳虚血」である可能性も否定できません。

 みなさんも、食事をした後やお酒を飲んだ後にサウナに入り、気持ちよくなってうたた寝をしてしまった経験があるかもしれませんね。しかし、実際には、あれはうたた寝ではありません。医学的には「一過性脳虚血」の状態、つまり「気絶」なのです。

 食事やアルコールを摂取した直後には副交感神経が優位になり、脳への血流が減少します。さらに入浴すると温熱効果によって血管が拡張し、血圧と脳血流が低下して意識を失うことがあるのです。