保育園の経営は想像より厳しい……
衝撃の試算結果

 この状況を理解するためのカギは、保育園の需要と供給のタイムラグにあります。

 2010年代、待機児童問題の深刻化を受け、政府は「待機児童ゼロ」を掲げて保育園の整備を加速させました。

 保育園等の施設数は2015年の約2万8000カ所から2025年には約4万カ所へと大幅に増加。一方で、保育園の対象となる市場規模である未就学児童の人口は減少傾向が続いています。

 例えば、冒頭のブログ投稿時の2016年を100とすると2024年の日本の全人口は97と3%微減な一方、0歳児人口は72と3割近く減少しているのです。

 保育園等の利用児童数も2021年の約274万人をピークに、2025年には約268万人に減少しています。

超・経営思考出典:総務省統計局人口データより筆者作成
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 つまり、供給(保育園の整備)は「過去の需要」に基づいて拡大し続ける一方、需要(利用児童数)は少子化により縮小し始めたのです。

 このタイムラグこそが、定員割れと経営悪化を引き起こしている構造的な原因であり、当初2025年に利用児童数がピークを迎えると予測されていたことから「保育の2025年問題」と呼ばれる所以です。

 さらに注目すべきは、この問題が地域によって大きく異なる様相を見せている点です。

 子ども家庭庁が公表したデータによれば、都市部の定員充足率が91.3%とまだ比較的高い水準にあるのに対し、過疎地域では74.6%と5年間で8.4ポイントも低下しています。

 都市部でも例えば、2026年4月に向けた豊島区の保育園の2月時点の欠員状況を見てみると、全91保育園(区立+私立)に対し、定員割れ保育園の比率は以下の通りで、年齢ごと、さらに園ごとの差が大きくなっています。

超・経営思考出典:豊島区令和8年度4月2次入園選考欠員状況資料から筆者作成
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