ブランドと雇用の維持に疑問も
調達網は万全か?中韓との差が課題
また、日立ブランドを維持するのか、維持するとしたらいつまでか。一部報道によると、日立側は「日立ブランドの5年間維持」を求めていたそうだが。その後は、どうなるのか。ノジマのブランドでいくのか。日立の名が外れるまでに、ノジマは強い商品力を消費者にアピールできるのか。疑問は尽きない。
もちろん、従業員がどれだけ残るかといった経営課題もある。とにかく、日立のDNAがいい形で残され、ノジマのDNAとうまく融合して相乗効果が出るのを期待するばかりだ。日本企業同士だからリストラなく安心、なんて概念は必ずしも正しくない。確かに日本企業同士のM&Aでは雇用が維持されやすい傾向だが、今回はそれが主目的ではないはずだ。国内は人口が減り、海外は競争が激化する家電市場において、いかに生き残っていくかに集中しなければ意味がない。
最後に、私の専門で指摘すれば、調達・サプライチェーンの優位性が保てるかも気になるところだ。傘下にあるVAIOとのすり合わせは想像できるが、冷蔵庫や洗濯機の部品調達はPC以上に大量調達のスケール効果が効く領域だ。コンプレッサー、モーター、鋼板、半導体の調達で、中韓勢との価格差をどう埋めるかが課題となるだろう。
日立からすると足掛け20年近い大改革が完成されようとしている。一方、ノジマにとっては改革の始まりだ。ノジマは販売の最前線で培った、真の消費者ニーズを商品開発に生かしてほしい。積み上げてきた地道な販売力を、商品企画につなげてほしい。
ちなみに私は家電に疎く、機能インフレ時代が始まってからほとんど何も買い替えていない。そんな私が偉そうにいうのは何だけれど、こんな私でも欲しい!と思わずにはいられない家電をぜひ作って売ってほしい。








