Photo by Shintaro Iguchi
日立建機は2027年4月に社名を「ランドクロス」に変更する。既に日立製作所の持ち分法適用会社ではなくなっている。米国の関税政策の影響が本格化する中、26年は、いかに中国の建機メーカーなどとの競争に勝ち抜くのか。特集『総予測2026』の本稿では、先崎正文社長に、日立ブランドから“独り立ち”した後の展望を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)
関税影響はこれからが正念場
米国市場の勝算は?
――2025年の振り返りと26年の展望を聞かせてください。
米国の関税政策の影響は想定通りですが、最大市場の米国はこれからも良い状態にはならないでしょう。25年度は上期に駆け込み需要がありました。本当のインパクトはこれからです。26年は米国以外にも影響が出てくるでしょう。欧州は在庫調整が進んでプラスですが、米国のマイナスは打ち消せません。中国と豪州も良くありません。
――米国での値上げの状況は?
他社に先駆けて値上げを表明し、実現しています。米キャタピラーは現状、明らかな値上げは行っておらず、コマツは少し上げているという認識です。
――米国では22年にディア・アンド・カンパニーとの提携を解消して、ディア社のブランドで販売することをやめましたが、現在もディア社向けに油圧ショベルを供給しています。顧客でもあり、ライバルでもあるという状況ですが、今後の方向性を教えてください。
22年に米国で自社ブランドの独自展開を始めたとき、「当面の間」はディア社に製品を供給する契約でした。いつまでとははっきり言えませんが。若干、想定よりも供給を続ける期間が長いです。以前供給していた機種は、彼らが必要とするなら引き続き提供する義務があります。
――米国の金利の見通しはどのように予想しますか。
当然、ある程度のところで下がっていくでしょう。建機の需要を喚起するとは思いますが、そればかりに期待してはいけません。米国でのシェアは目標の2桁を目指して毎年2%伸ばしてきました。
――中国への投資はどう考えていますか。
大きな拠点があるので、維持のための投資はします。ただ新たに資金を注入する状況ではないです。
――24年度まで2期連続の増配でした。
25年度も年間配当は1株当たり175円で維持します。定常的にキャッシュを創出できているため、株主還元できています。23~25年度の累計フリーキャッシュフローは20~22年度の4倍弱の3870億円の見込みです。
次ページでは、先崎社長が「脱・脱炭素」の流れもある中での建機の電動化、インドネシア市場など注目テーマの行方を語る。そして27年4月の社名変更に込めた意味、「独り立ち」後の展望を明かした。







