一方、現在JALがボーイング787-9で採用しているシートも、パーテーションが高く個室感と機能性を両立させており、特に出張のビジネスパーソンから評価を得てきた。しかし、最新鋭A350-1000の快適さが認知されてきたこともあり、(17年導入の)787-9の座席はどうしても古く感じる点がある。この点についてJALは2月、11機の787-9の装備品をアップグレードすると発表、テコ入れを図る。
JALボーイング787-9のビジネスクラス Photo:JAL
ANAとJALの開発姿勢の違いには、パートナー選定の違いが関係している。ANAは、複雑な個室機構をつくるためのサプライヤーに、フランスのサフラン・シーツを起用し、クラスごとの専門性を追求。対してJALは、イギリスのサフラン・シーツを起用している。ブランドや信頼性を重視したところ、上位クラスのシート製造は同じサプライヤーでも設計の「拠点」が違うというユニークな結果となった。
ANAとJAL「国際線用のボーイング787-9」シート比較表 ※各社資料を基に筆者作成拡大画像表示
上記にまとめた表のように、ビジネスクラスでも違いが浮き彫りになったが、プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスにおいては、さらに両社の違いがいっそう明らかだ。
プレミアムエコノミーと
エコノミーの居住性に違い
まず、プレエコは両社とも2-3-2の配列だが、ANAは独レカロの新型シートを採用。リクライニング角度を深め、シートを薄型化することで、数値上のピッチを超えた居住性を生んでいる。対してJALは、サフラン・シーツ(仏)を採用し、シートピッチはANAより約6㎝も広く約107㎝を確保している。
エコノミーでは、ANAは世界標準の横9席(3-3-3)で、レカロ最新の人間工学に基づく薄型シートを導入した。薄型でありながら長時間の着座でも安定した姿勢を保てる設計に定評がある。
そして大型4Kモニター、Bluetooth接続、モバイル機器のワイヤレス充電など、今の乗客が好むデジタル機器関連のニーズに徹底的に寄り添っている。つまりANAは「座り心地の質」と「最新デバイス」で、JALの「広さ」という伝統的な価値基準に対抗しようとしている。
対するJALはボーイング787において、世界でも希少な横8席(2-4-2)。1席あたりの座席幅は物理的に広く、その快適性は過去に何度も国際的な賞を受賞している。
ANAのボーイング787-9新プレミアムエコノミー Photo:ANA
ANAのボーイング787-9新エコノミークラス Photo:ANA
JALのボーイング787-9プレミアムエコノミー JALのHP「360度パノラマビュー」より
JALボーイング787-9のエコノミークラス。世界でも稀な横8席 Photo:JAL







