JALの「究極」は限定的
ANAは幅広く快適を提供
ANAのボーイング787-9新仕様機は、国際線でJALをライバル視する戦略がにじみ出ている。JALのA350-1000が就航2年で「究極のフラッグシップ機」などと評価されているが、その恩恵を享受できるのは主要幹線(羽田からニューヨーク、ダラス、ロンドンなど)の乗客に限定的だ。
一方で、ANAが機動力の高い中型機である787-9の機内仕様を底上げしたことは、より広範な路線で多くの乗客に最新の快適性を提供できることを意味する。先般、21機の787-8と16機の787-9の機内改修を発表したことからも相当の覚悟がうかがえる。
次世代大型機777Xの遅延という非常に厳しい制約の中で、ANAは客室空間に最新技術を凝縮させることで、競争力を確保しようとしている。JALの物理的な広さを重視した快適性と、ANAのデジタル体験を追求した快適性は、どちらも優れた解の1つといえる。
その意味で2社の競争は、単なる機体の大きさや豪華さの比較ではなく、限られた空間でテクノロジーと人間工学を融合させる、より高度な次元へシフトしている。ANAの今回の刷新は、まさにその変化の象徴だ。満を持して777Xを導入した暁には、JALのA350-1000に対してどんな機内仕様に仕上げて来るのか、今から楽しみだ。








