日経平均とTOPIX乖離が
異常な水準...!なぜ?

 2026年3月期の主要企業の決算は、平均で1%程度の増益にとどまると予想されている。業績持ち直しをけん引する要素の第一が、世界的にAI関連分野の需要が増加することだ。逆に言えば、それ以外の分野では、ほとんど横ばいの業績ということになる。

 わが国企業では主に、通信、電機、非鉄関連企業の成長期待が高まっている。半導体、半導体製造装置、データセンター向けのケーブルなどの分野でも収益が増加した。キオクシアのように、成長期待が急に高まったことから、世界的に見ても株価上昇率が高い企業も登場している。

 円安も、日本企業の海外収益をかさ上げしている。加えて、非中核事業や政策保有株式(持ち合い株)を売却し、資本効率の引き上げに取り組む企業が増えた。総合電機分野では、家電などハードウエア関連の資産を売却し、AIなどソフトウエア分野に経営資源(ヒト・モノ・カネ)を配分する傾向にある。構造改革に取り組む大手企業が増えたことは、重要な変化だ。

 こうした状況下、株式市場では、ITや半導体関連のウエートが大きい日経平均株価が上昇した。年初~4月24日の上昇率は約18%となった。一方で同期間、株式時価総額を基準にした、市場全体の動きを示しやすいTOPIXの上昇率は9%程度にとどまった。日経平均株価とTOPIXには、かなり大きな乖離が生じている。

 日経平均株価の押し上げ要因として、AIや半導体関連の「値がさ株」(1株当たりの単価が大きい株)の影響は大きい。例えば4月22日、ソフトバンクグループ株だけで、日経平均株価を385円も押し上げた。同社傘下にある英アームの自社製チップへの販売期待をはじめ、イラン情勢の行方への楽観、日本銀行の利上げ慎重姿勢、AI関連分野の過度な成長期待の高まりなどが材料となった。

 その結果、NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)は、ほとんど異常というべき水準にある。24日、NT倍率は16倍を超えた。1970年からの長期平均は12倍台であり、トレンドからの乖離が鮮明だ。

 現在の日経平均株価と、理論的に適正と考えられる株価収益率(PER)を使って、向こう6カ月程度の増益予想を計算すると、投資家は20~30%程度の利益増を見込んでいる。

 27年3月期だけでなく、28年3月期の業績の拡大見通しを織り込んでも正当化は難しいだろう。かなり割高な水準に、日本株は上昇したといえるだろう。