薬を中止後にリバウンドするケースも多い
米国では、GLP-1薬を1年以内に中止する人が半数前後にのぼるとの報告もあります。
「初期には体重が減少するものの、その後は減少ペースが緩やかになるケースも多い。もう減量しないと感じて中止する人も少なくありません」
中止する理由には、費用の問題もあるようです。用量や薬剤によって異なりますが、日本の場合では、肥満症治療薬として保険診療(自己負担3割)を利用しても毎月1万〜1万5000円程度かかり、自由診療では全額自己負担となります。
ただ、GLP-1薬を中止した場合、リバウンドするケースが多いことも報告されています。
たとえば、68週間の投与後に中止した場合、減少した体重の約3分の2が1年以内に戻ったとする研究もあります。薬による食欲抑制効果が弱まり、以前と同様の食事量や生活習慣に逆戻りしてしまうためです。
「肥満が慢性疾患と定義されている以上、高血圧や脂質異常症の薬と同様に、基本的には長期的な継続が必要になるという見方が一般的です。2型糖尿病の治療であれば、生涯にわたって継続が必要になるケースも多いですね」
一方、更年期の急激なホルモン変化に伴う体重増加や、一時的な肥満解消が目的であれば、休薬できるケースもあります。
「薬を使っている間に運動を始めたり、食事内容を変えたりして、根本的な生活習慣の改善に成功した患者さんは、リバウンドせずに自分の力でコントロールできています。生活習慣の定着が不可欠です」
GLP-1薬で減量に成功して休薬した人、もしくは薬に頼らずやせたい人には、日々の食事を工夫することで、腸からのGLP-1分泌を促すことが期待されると大西さんはアドバイスします。
そもそもGLP-1は、食事を取ると小腸下部から大腸にかけて存在する「L細胞」から分泌されるホルモンです。インスリンの分泌を促して血糖値を下げ、さらに脳に作用して満腹感を与えます。いわば「天然の食欲ブレーキホルモン」です。このL細胞の分泌を促すうえで重要なのが、「発酵性食物繊維」と「質の良いタンパク質」だと大西さんは言います。







