大西睦子
新型コロナウイルスワクチンが市場に出たら、国はワクチン接種を強制できるか?
現在各国で開発・臨床試験が進んでいる新型コロナウイルスのワクチンですが、もし安全性と有効性が示されて、ワクチンが市場に出たら、政府は国民にワクチン接種を強いることができるのでしょうか? アメリカ・ボストン在住の医師、大西睦子さんによる寄稿です(連載第5回)。

アメリカで高まる新型コロナワクチンへの警戒心! 公衆衛生は公衆の信頼がなければ成立しない
中国やロシアでは新型コロナウイルスのワクチン開発がどんどん進んでいます。アメリカも同様ですが、国民のあいだではそれを接種すべきなのか警戒感も高まっているといいます。その背景とは? アメリカ・ボストン在住の医師、大西睦子さんの寄稿です。

インフルエンザワクチンと、第三臨床試験まで進んだ新型コロナウイルスのワクチン候補
冬本番を迎えますが、みなさんは今年のインフルエンザワクチンの接種は受けられましたか? 過去80年間、多くの国がインフルエンザワクチンの製造に鶏卵を使用しています。インフルエンザワクチンの製造方法とともに、第三臨床試験までたどり着いた新型コロナウイルスのワクチン候補について紹介していきます。

天然痘の生ワクチンに続いて次々と開発されてきたワクチンの種類とは?
前回、天然痘のワクチンが生み出されるまでを振り返りました。天然痘のワクチンはワクシニアと呼ばれる、天然痘に似た「生きたウイルス」から作られています。他の多くのワクチンのように、弱毒化したり死んだウイルスではありません。その後、さまざまな種類のワクチンがうみだされてきましたので、それらを整理していきましょう。

感染者の膿やかさぶたが予防になった「天然痘」との戦いの歴史を振り返る
最近、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で「免疫反応があった」というニュースよく耳にします。「免疫反応があった」とはどんな意味だと思いますか? ワクチンの効果があると考えてよいのでしょうか? 副作用は大丈夫? そもそも、ワクチンって何でしょう? 新型コロナウイルスのワクチンが市中に出回る前に、ワクチンについて理解を深めるため、感染症やワクチン開発の歴史について連載全4回で振り返っていきましょう。

第8回
出産前の受精卵で遺伝子を自在に操作する“デザイナーベイビー”をあなたはどう思う?
生まれる前の赤ちゃんの遺伝子を操作することも技術的には可能になってきました。知性の高さや容姿など、親の要望に即した子どもを生み出すわけです。しかしそうした科学技術の発展は行きすぎると、優良な子孫のみを残そうとする「優生政策」につながる危険をはらんでいます。

第7回
乳がんなどのリスクが3万円で調べられる?!新たな遺伝学的検査サービスの是非
米シリコンバレーで話題となった、「Color Genomics」社の新たな遺伝学的検査サービス。乳がんと卵巣がんの発症リスクがわかる、BRCA1およびBRCA2を含む19の遺伝子を調べる検査が約3万円で受けられるというものです。従来の遺伝学的検査サービスと何が違うのでしょうか?

第6回
スクリーニング結果とはいえ妊婦の不安を広げる新型出生前診断の適応年齢や疾患拡大の是非
高齢出産が増えるなか、技術の進展もあって、遺伝学的検査のひとつである「新型出生前診断」のニーズはますます高まっています。受診率も高まっていますが、その精度はどの程度信じられるものなのでしょうか。

第5回
子どもの才能や体質がわかる遺伝子検査が進展 だが遺伝情報で人生の選択肢が広がるとは限らない
医療領域ではない、子どもの資質を見極めるための遺伝子検査も発展しつつあります。本当にそうした検査が必要なのか? 特に子ども向けの非医療領域の遺伝子検査リスクについて考えていきます。

第4回
遺伝情報によって雇用や保険で差別が起こる?!予防・対応が進む先進諸国に対し遅れる日本
前回まで、遺伝子検査の心理的問題とカウンセリング、遺伝子所有権に関する話題を取り上げました。これらの倫理的・法的・社会的課題は、1990年に「ヒトゲノム計画」が開始されると同時に科学者の大きな関心事になり、制度整備が進められてきました。

第3回
黒船襲来!? 米国の戦略に翻弄される世界各国日本人の遺伝子の所有権はどうなるのか
前回ご紹介したとおり、ミリアド裁判の結果、米国では自然に存在する遺伝子は特許対象とはなりません。一方、日本やカナダ、欧州、オーストラリア等では、自然に存在する遺伝子の特許が認められていますが、米国と同じように特許を無効にすべきだと方針を変える動きもでてきました。

第2回
遺伝子の約20%が他人や企業の所有だった?!米国の事例から考える「遺伝子は誰のものか」
遺伝子が自分の所有物ではない、と言われたら驚きませんか。でも、実際に約2年前まで、米国では私たちの体から切り出された遺伝子の約20%について、民間企業や政府、個人に特許が認められていたのです。今回は、こうした遺伝子の所有を巡る議論について紹介します。

第1回
急進する遺伝子医療で出遅れる日本 技術革新に追いつかない制度整備
遺伝子技術の革命的な進歩は、研究レベルでなく治療や病気の予防法を実際に変えるところまで来ています。遺伝子技術の発展は私たちの暮らしをどのように変えるのか? 今回のテーマは「遺伝子検査」。手軽に受けられる反面、興味本位だと予想しなかったリスクに直面する恐れがあるようです。

第5回
野菜ジュースはむしろ健康に悪い・・・?!知るほど恐ろしい加工食品や飲料の製造工程
人工甘味料やトクホ(特定保健用食品)への疑問など、衝撃的な話がいくつも飛び出したジャーナリストの安部司さんと、『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』を上梓した医師の大西睦子さんの対談前編。後編でも、食全般に関わる恐るべき真実について語り合います!

第4回
3世代にわたる安全性は分かっていない人工甘味料やカラメル、乳化剤…本当は怖い市販飲食品の裏側!
『食品の裏側――みんな大好きな食品添加物』著者の安部司さんと、米ハーバード大学で食品が健康に与える影響について研究中で、『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』を上梓したばかりの医師・大西睦子さんが、一般に知られていない驚くべき真実について語り合う。

第3回
天然甘味料でも要注意!米国で使用制限広がる「異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)」があふれる日本
高フルクトース・コーンシロップ=異性化糖(別名「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」)とよばれる天然甘味料をご存知ですか。「天然」と聞くと体によさそうなイメージがわきますが、肥満や糖尿病などの原因となり私たちの健康を脅かす存在として、アメリカでは使用禁止運動が広がっています。

第2回
飲みものから摂るカロリーは全体の10%以内に!コーラは人工甘味料以外にカラメルも超危険
約50年間で、飲みものの歴史が激変してきました。特に日本は市販の飲料の種類が多く、近年はカロリー摂取ではなく、逆に「カロリーゼロ(オフ)」をウリにした飲料が多く登場しています。前回までに指摘した人工甘味料や異性化糖の問題を踏まえ、何を選んで飲んだり食べたりすべきなのでしょうか?

第1回
「ゼロ」カロリーなのに太る?!日本で知られていない、まさかのカラクリ
カロリーゼロの飲食品には「たくさん食べても太らない」という安心感から食べ過ぎる以外に、含まれている人工甘味料が身体にさまざまに影響して、肥満につながる恐れがあります。その主な要因と考えられる、「ホルモン作用」「味覚を鈍化させる」「依存性がある」の3つについて、みていきましょう。
