西野谷咲歩
「アルツハイマー病」の検査精度が飛躍的にアップ、症状だけじゃない「客観的」な判断法とは?
認知症の原因で最も多いアルツハイマー病。新たなメカニズムの治療薬として、エーザイと米バイオジェンの「レカネマブ(商品名:レケンビ)」、米イーライ・リリーの「ドナネマブ(商品名:ケサンラ)」が承認を受けた。新薬の普及と開発を進める上では、脳内の病変を正確に捉える「バイオマーカー(指標)」の確立が鍵となる。「血液バイオマーカー検査の精度が飛躍的に向上している」と語るのは、東京大学医学部附属病院特任教授で日本認知症学会前理事長の岩坪威(たけし)さん。最新の状況について話を聞いた。

アルツハイマー病の治療薬に「投与するたび赤字」「労力だけ増えて全くもうからない」と病院から悲鳴があがるワケ
近年発売されたアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ(製品名:レケンビ)」と「ドナネマブ(製品名:ケサンラ)」。「治療効果が期待できる、症状が進む前の早いタイミングで受診してほしい」と訴えるのは東京都健康長寿医療センター脳神経内科医長の井原涼子さんだ。アルツハイマー病の進行を抑制する2つの薬について、投薬対象となる症状や副作用、そして、現場の医師が抱えるジレンマをお届けする。

「誰かに命を狙われてる…」実は身近な統合失調症、幻聴や幻覚は薬で治る?【精神科医が解説】
統合失調症の症状が現れた姉と、彼女を精神科の受診から遠ざけた両親の姿を20年にわたり記録した話題のセルフドキュメンタリー『どうすればよかったか?』「実際に親が認めず、長い間未受診の末、救急に運ばれる患者さんはいます」と話すのは、東京都立松沢病院名誉院長で精神科医の齋藤正彦さんだ。齋藤医師に、100人に1人が発症する身近な「統合失調症」の実情について聞いた。

「低賃金で大量製作」日本映画の現場が悲惨すぎる…現役映画監督が訴える“働き方改革”とは
海外での日本映画の“快挙”が華々しく報じられる一方で、近年、これまで表沙汰にならなかった監督の俳優に対する性暴力やミニシアターでのパワハラ、低賃金に長期労働、人手不足、ジェンダー格差など、映画業界のさまざまな問題が可視化され、業界全体の構造見直しが叫ばれている。『日本映画の「働き方改革」: 現場からの問題提起』の著者、深田晃司監督が訴える日本映画の「働き方改革」とは。

医学生のときに統合失調症を発症した8歳年上の姉と、病気と認めず南京錠をかけて外の世界から遮断することを選んだ医師で研究者の父と母の姿を、20年以上にわたり記録したドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』が話題になっている。藤野知明監督に、映画を通じて届けたいメッセージを語ってもらった。

発生から26年目となる現在も、ネットでさまざまな考察が飛び交う「和歌山毒物カレー事件」。直接的な証拠や動機の確定もなく、状況証拠の積み重ねで有罪が立証された同事件だが、ドキュメンタリー映画『マミー』では、監督の二村真弘さんがその証拠とされた目撃証言や科学鑑定を検証し、ずさんな捜査の実態、さらにはメディアの問題点をも浮き彫りにする。「そもそも林眞須美の冤罪(えんざい)を前提で取材をしていなかった」という二村監督は今、何を思うのか。
