断熱材40%、塗料80%高騰…家づくり総額が数百万円上がる「ナフサ危機」新築・リフォーム前に確認すべき3つのポイント写真はイメージです Photo:PIXTA

住宅の全領域に及ぶナフサ危機
ウッドショックとの決定的な違い

 4月13日、TOTOがシステムバスとユニットバスの新規受注停止を発表した。LIXILなど他の主要メーカーにも納期未定や出荷制限の動きが広がり、住宅業界に緊張が走っている。TOTOは段階的に受注を再開したものの、先行きは予断を許さない。

 原因は「ナフサ」と呼ばれる石油化学原料の供給不足である。中東情勢の緊迫化、とりわけホルムズ海峡の封鎖をきっかけに、この言葉をニュースで目にする機会が増えた。だが、それが自分の住まいにどう影響するのか、まだ実感を持てていない方も多いのではないだろうか。

 実は浴室設備だけの話ではない。断熱材、塗料、配管、接着剤、さらには食品の梱包材に至るまで、暮らしに関わる幅広い製品がナフサを原料としており、値上げと供給不足の波が一気に押し寄せている。これから住宅の購入やリフォームを予定している方にとっては、見過ごせない事態だろう。計画にどう影響し、何を確認しておくべきか。現場の実情を踏まえて見ていきたい。

 そもそもナフサとはどういう素材で、住宅とどう関わっているのか。ナフサとは、原油から取り出される液体で、プラスチックや樹脂の原料になる化学素材である。正直なところ、不動産や住宅の現場で仕事をしてきた私たちにとっても、決して馴染み深い素材ではなかった。ところが、日々の検査や工事立ち会いで目にしている断熱材、塩ビの配管、外壁の塗料やシンナー、窓回りの樹脂部品、そして、接着剤をたどっていくと、すべてこの一つの原料に行き着く。家を構成する「目に見えない部分」の大半が、ナフサ由来の素材で支えられていたのだ。