「第15回出生動向基本調査(2015年)」の既婚者調査でみると、大卒女性の結婚相手の77%が大卒男性であることに対して、大卒男性の結婚相手の大卒女性は44%と、両者の間に大きなギャップが生じています。これは、女性が自分と同等かそれ以上の学歴の男性を求める「上方婚」志向といわれるものですが、大卒男性の結婚相手の女性の学歴が、短大卒や高校卒にも分散していることと対照的です。

 男女間の大学進学率に大きな差があった時代ではともかく、それが女性50.7%、男性56.6%と、ほとんど差がなくなった現在、この男女間の学歴バイアスがなくならないと、大卒女性の結婚相手の大卒男性が不足してしまいます。

 この学歴ミスマッチが生じる大きな要因の1つは、女性が結婚し出産した後で、以前と同じようなフルタイムの仕事が出来なくなった場合に、夫の収入だけに依存することにあります。このため、夫に一定以上の所得を求めることが必要となり、そのためには高学歴の結婚相手が前提となるわけです。

 逆に、女性が出産後も、フルタイムでの共働きが保証される環境であれば、結婚相手の学歴にこだわる必要性は、それだけ低くなります。

 そのためには職場環境の改善が大事ですが、より重要な点は、夫の家事・子育てへの協力度です。先の「第16回出生動向基本調査」で、独身女性が結婚相手に重視するものとして「家事・育児の能力や姿勢」が70%と急増しています。このように、夫婦が共にフルタイムで働き続け、共に家事・子育てを行うことが保証されれば、学歴にこだわらない結婚が増えることが期待されます。

介護保険の精神が
少子化対策のヒントとなる

 日本の将来を担う子ども数の急速な減少を防ぐためには、それに見合った国民の負担が必要なことを、少子化対策の基本とする必要があります。

 これに対して負担増に反発する国民をなだめるために、少しずつ医療保険料に上乗せして引き上げるという、子ども・子育て支援金の発想は、個々の給付と負担の均衡という、市場原則に沿った社会保険の本来の精神を踏みにじるものといえます。