インドでは牛糞がクルマの燃料になっている!
インドは世界有数の牛飼育大国。また、道端には普通に「野良牛」がくつろいでいるとも聞きます(私はインドに行ったことがないので、実情はわかりませんが……)。
牛たちは生きていれば糞を出します。その糞にはCO2の28倍の温室効果があるメタンが含まれているそう。スズキは牛の糞に含まれるメタンから自動車用燃料を精製することで、温暖化抑制に取り組んでいるのです。
インドではCNGを燃料とするクルマが珍しくなく、インド国内で販売される乗用車のうち約20%がCNG車になるそう。スズキもビクトリス、フロンクス、スイフトなど14車種にCNG仕様を設定していて、2025年度のCNG車販売におけるスズキのシェアは約70%になると言います。
CNG車は特に改良を加えなくても、そのままCBGを燃料に走れます。CNG車の燃料をCBGに置き換えることでメタンの大気放出を抑制し、温暖化を抑制するという取り組みです。
ちなみに牛10頭が1日に排泄する牛糞でクルマ1台が1日に使う燃料を賄えるそう。スズキによるとインドでは約3億頭の牛が飼育されていると言われているそうで、仮にすべての糞からバイオガスをつくったら、毎日3000万台分の燃料を賄える計算になります。さらにCBGをつくった後の残渣は有機肥料として利用することもできるそう。
ジャパンモビリティショー2025で展示されたバイオガスプラントの模型 Photo by A.T.
バイオガスプラント稼働、インド9カ所での実用化が進む
2025年12月にはグジャラート州バナスカンタ地域アグサラでバイオガスプラントが稼働。ここでは1日あたり最大約100トンの牛糞から約1.5トンのCBGを生産・販売できるとのこと。これはCNG車約850台が1日に走行するのに使う燃料の量に相当します。
インドで販売されるビクトリス。1.5Lエンジンのマイルドハイブリッド、ストロングハイブリッド、CNGという3つのパワートレインが用意される(広報写真)
2026年1月にはグジャラート州バナスカンタ地域ブカラに2つ目のバイオガスプラントが稼働。他にも7カ所のバイオガスプラントの稼働が予定されています。
牛糞からつくられたCBGで走るクルマを日本に導入するのは難しいでしょうが、地域の特性に合わせた形で脱炭素に取り組んでいくのは、本来あるべき姿ではないかと感じます。
(AD高橋)







