【奈良監獄ミュージアム】ミュージアムゲートから舎房を望む Photo:星野リゾート
「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」に行ってきました。美しい赤レンガ建築を外から眺めるだけでも楽しいのですが、館内に入ると個性的な展示に驚きます。「監獄とアート」展では、著名な美術家による作品、とりわけ銃砲刀剣類不法所持と火薬類取締法違反で札幌刑務所などに服役した作家の漫画には、目を見張るものがありました。詳細を写真付きでリポートします(文中敬称略)。(コラムニスト 坪井賢一)
「奈良監獄ミュージアム」に行ってみた
異世界に転生したような不思議な空間
4月27日、奈良市般若寺町の「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」が開館しました。この美しい赤レンガ建築は1908年(明治41年)に完成した「旧奈良監獄」で、1946年には「奈良少年刑務所」に改変され、2017年まで100年以上稼働していたものです。
刑務所が閉鎖されると、赤レンガ建築を保存して再利用する方策が検討され、ミュージアムとホテルを組み合わせた星野リゾートによる複合施設として再出発することになりました。なお、旧奈良監獄の歴史的な意匠は、2017年に国の重要文化財に指定されています。
「監獄建築」と聞くと、筆者の脳裏にはジャズピアニスト・山下洋輔(1942~)の小説『ドバラダ門』(新潮社、1990)と、漫画家・花輪和一(1947~)の作品『刑務所の中』(青林工藝舎、2000)がグワッと浮かび出てきます。理由はのちほど。
奈良監獄ミュージアムに向かって東から歩くと、正門が見えてきます。正門の両側の門柱には小型ドームがあり、門の向こうには正面の庁舎の切妻屋根が3つ、目に入ります。
奈良監獄の正門 Photo by Kenichi Tsuboi
長大な赤レンガ塀の隙間の小型ドームの門柱や、本館庁舎の切妻屋根は装飾に富んだ楽しいデザインで、見るだけでウキウキした気分になりました。この心地よいデザインの奈良監獄を設計した建築家が、山下洋輔の祖父、山下啓次郎です。







