トクリュウという用語は2023年7月に警察庁が「SNSを通じて募集する闇バイトなど緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す集団」と定義した組織犯罪の類型です。それ以前(コロナ禍以前)のマスコミなどでは、半グレや準暴力団とよばれていました。
草創期の半グレのメンバーには1980年代に活動した暴走族上がりの者が多く、犯罪的な資金獲得活動に従事する集団もあると見られていました。しかし、実態は明らかになっておらず、社会問題化していました。半グレという用語は初出当時「暴走族の元メンバーやその知人らが離合集散しながら緩やかなネットワークで行動を共にするグループ」であるといわれていました(朝日新聞2013年3月20日)。
それが、コロナ禍を経験した昨今では、暴走族や愚連隊上がりの非行青少年に加えて、非行・犯罪経験のない現役の中高生、大学生や会社員、フリーター、多重債務者、暴力団を離脱して社会復帰に失敗した元暴アウトローなど様々な出自の人が半グレとよばれています。したがって、半グレの構成員も変質化してきていると見なせます。なお、現在の半グレの多くは、特殊詐欺や強盗に代表される犯罪性の強い活動に従事しています。
ヤクザ社会のルールや
暴排条例にも縛られない半グレ
この半グレという言葉は、2011年に、ノンフィクション作家の溝口敦氏が著書『ヤクザ崩壊 侵食される六代目山口組』において活字化し、それ以後、広く用いられるようになりました。同氏は、新潮新書『暴力団』において、半グレは「暴力団とは距離を置き、堅気とヤクザの中間的な存在である暴走族OBである」と述べています。しかしながら、現時点において、半グレには明確な定義があるわけではありません。
溝口氏は同書で、半グレは「暴力団のきゅうくつな人間関係を嫌い、従来のしきたりに縛られない、若い集団です。もちろん半グレは暴力団ではありませんから、暴対法も暴排条例も対象外なのです。法的にはあくまでも堅気の範疇です。芸能人も警戒心なしにつきあえます」と、彼らの特性に言及しています。







