個別のニーズに合わせた教育を
行うはずだった特別支援学級
特別支援学級とは、小学校や中学校に設置され、障害のある児童生徒が少人数で学習する学級のことです。個別のニーズに合わせた指導を行い、学習や生活上の困難を克服できるよう支援することを目的としています。知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉スペクトラム症・情緒障害など、さまざまな障害を持つ児童生徒が対象です。
文部科学省は「特別支援教育の理念」として次のように述べています(「特別支援教育の推進について」平成19年)。
《特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。
また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。
さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。》
私は、この理念は本当に素晴らしいものだと思っています。
障害による学習や生活上の困難を克服し、自立を促すための指導を行う、1人ひとりにきめ細かな指導が行われるといった考え方です。私が提言するコミュニケーション教育の考え方にも近いものがあります。
教室からはみ出した子が
通う場所に変わってしまった
しかし、いまの日本の公立小学校での特別支援学級をめぐる構図には、強い言い方をするのであれば、負の連鎖のようなものがあると感じています。
まずは普通学級に1人ひとりの違いを認める観点が定着しておらず、教師にその教育の考え方や体験、訓練、知識、技能が十分ではない現状では、教室で「はみ出す子が出るような指導」が結果的に行われてしまいます。







