確認できるだけでも20年前、同社の技術論文誌『JR East Technical Review』2006年夏号にて「UHF帯のRFIDタグ」を使用したタッチレス改札の研究を紹介しており、その後も定期的に研究の進捗状況が報告されている。

 経営方針として示されたのは2018年策定のグループ経営ビジョン「変革 2027」が最初だ。「運行やサービスなどの様々な側面から鉄道を質的に変革し、スマートトレインを実現する」として、そのひとつに「タッチレス・ゲートレス改札の実現」を挙げた。

 2024年12月発表の次世代Suica構想「Suica Renaissance」で構想はさらに具体化する。「改札はタッチするという当たり前」を超えるため、タッチせずに改札を通過できる「ウォークスルー改札」を2034年までに導入すると表明したのだ。

将来は改札機がなくなり
駅構内が大きく変わる?

「ウォークスルー改札」はいかなる形態で提供されるサービスなのか。同社のグループ経営ビジョン「勇翔2034」には、「ライフスタイル・トランスフォーメーションを実現するための中長期施策」として、次のようなイメージイラストが掲載されている。

図表:LXを実現するための中長期施策JR東日本グループ経営ビジョン「勇翔2034」から抜粋 拡大画像表示

 あくまで中長期なイメージ像、概念図であるが、改札機そのものを設置せず、一定のラインを超えたら運賃が請求される、完全ウォークスルー構造のように描写されている。改札機そのものが必要なくなり、駅構内のレイアウトも大幅に自由化するメリットがありそうだが、そのような大胆な変革は可能なのか。

 筆者も具体的な実装のイメージをつかめないでいたが、今回のデモ展示で、予想外に現実的なステップが明らかになった。続いて、同社のウォークスルー改札がどのような技術を用いるのか見ていこう。